第35話 寮の夜
私の部屋には完全にダウンしている司書がいる。
何があったかと言えば大浴場で入浴をして、司書がのぼせてしまったのだ。
なので、私が団扇を使って司書の身体を冷やしている。
まさか司書がのぼせやすい体質だとは思わなかった。
カラスの行水なんて言葉があるので、カラスのフレンズはのぼせやすい体質なのかもしれない。
その割には入浴とは良いものですねなんて言ってるので、何時かまたやらかす可能性が高い。
明日は遊園地へ向かう。
既に司書達からバスはそこには無いことは聞いているが、遊園地に向かうことに意味がある。
フレンズから見る景色と私が見る景色は同じとは限らない。
フレンズが気付かなかったことに気が付く可能性もある。
あまり、書きたくはないが今回ばかりは司書達の目的は達成できる可能性は低い。
私もその為のバックアップをして行きたいのだが、肝心のカードキー等扉を開ける道具を確保できていない。
現地で見付かる可能性も低いだろう。
少し、例の異変とやらについて考察を重ねる。
例の異変はかつてパーク内に突如現れた巨大影によって引き起こされた事件らしい。
何が原因で始まり、何が起きて終息したのかまるで分かってはいない。
気が付いたら全てが 終わっていたようだ。
私の見解としては巨大な影と言うのはセルリアンで、そのセルリアンが巨大化し過ぎて身体を維持できなくなり、セルリアンが自然消滅したことによって終息したと考えられる。
だが、果たしてジャパリパークのフレンズがたった1体の巨大なセルリアンによって絶滅寸前まで追い込まれるとは考えられない。
それに当時は人がまだ居た筈なので何かしら対策を行っていてもおかしくはない。
それに最悪フレンズ達を連れてパークを一時的に放棄してセルリアンが消滅するのを待つのも有効な手段だった筈だ。
それともパークを離れることが出来ない理由があったのだろうか?
何かしら手掛かりとなる記録等が残っていれば例の異変に何が起きたのか解明出来る筈だ。
それにジャパリパークの再開を目指していただろう人が何かしら記録を残していないとは考えられない。
同様の異変が起きた際の対処法。
もしや司書の求めているものがそれなのだろうか。
二度あることは三度ある。
再び例の異変のような出来事が起こる可能性は十分に考えられる。
ならば、その対策を行うと言うのは何も間違ってはいないだろう。
しかし、そう考えるとまるで地震や津波、ハリケーンのような自然災害のように感じられる。
ジャパリパーク特有の自然災害か。
もしかしたら、フレンズを脅かすセルリアンと言う存在もジャパリパークの一部なのかもしれない。
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