日記外その1 親切なラッコ

「オオウミガラスちゃん、どうしたんですか?珍しいフレンズ連れてるですね」

「なんか溺れてたから助けたんだよ」


 カリフォルニアラッコの前にオオウミガラスが珍しいフレンズを連れてやってきた。

 耳と尻尾のないフレンズは大変珍しい。


「あと、なんかゴリラじゃないみたい」

「そうなんですか。ヒッ」


 ゴリラと言った瞬間にオオウミガラスの背後にいたフレンズの視線がフレンズを殺せそうなくらい鋭くなった。


「これからフレンズが沢山いるところに案内しようと思ってるんだけど、カリフォルニアラッコちゃんもどう?」

「わ、私は遠慮するです。あ、でもここから行くのはあまりお勧めしないです。昨日から大きなセルリアンが彷徨いてるらしいです」

「そうなんだ。ありがとうカリフォルニアラッコちゃん。じゃあ海岸に沿って行こう」

「……少し内側を歩こう」


 泳いで行けば楽勝なのにと二人は思うが、溺れていたことからこの謎のフレンズは泳ぎが苦手なけものなのだろうと推測した。


「……それよりセルリアンとはなんだ?」


 謎のフレンズはセルリアンの事を知らないらしい。


「セルリアンはね。なんかとっても危ないんだよ」

「……危ない?」

「食べられですよ」


 そう言うと謎のフレンズは何か納得したように頷いて本のようなものに小さな棒で何かを付け足した。


「……ありがとう」

「またねー」

「気を付けるですよ」


 そうして二人は海岸沿いをテクテク歩いていった。

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