この惑星の名はアフタヌーンティー星だっ!(宇宙での冒険−2)
「あ、また来ちゃった………」
考えないでぽっとでた言葉は寂しく響く。
ってか、宇宙で息できるとか神じゃん!!
急に誇らしくなり、今いるところから地球を見ようとした。
地球は……………
見えんっ!
いや、ここは普通『あ、地球だっ。すっごい青〜いっ!』というところだが、私の出る言葉として、『あっ、誰か何かに乗ってくるっ。すっごい怖〜いっ!』があっているだろう。
そう、想像どうりのUFOに乗って誰かが来るのだっ。
う、宇宙人に会う…………。
どどどどうしようっ。
心臓がバクバクと鳴っている。
そして、UFOはゆっくりと私の惑星、『アフタヌーンティー』へと近づいてくる。
私との距離、3メートルとなっても、UFOの機械オンも聞こえないし、風も吹かない。
スッゲェな。
けど足は震えていた。
そしてUFOは『アフタヌーンティー』へと着陸した。
いや、誰も出てくるなっ。
この惑星の王はこの私だっ。
いや、やっぱりずっと出てこないのも怖いから出てこいっ。
静かで、ただただ星が眩しい中ゆっくりと私が望んでいるのか望んでいないのか分からないUFOの扉が開いた。
もちろん音はしない。
そして、ゆっくりと開いた扉の先には人間がいた。
人間と私はただ棒立ちで見つめ合う。
いや、触手あるとか、謎の液を身にまとっているわけでもなく本当に人間。
もしくは人間風地球外生命体。
普通に生命が生きれる唯一の場所『地球』にいても全く気がつかないだろう。
「あ、こんにちは……」
私はこの空気がとても重すぎて嫌だったので、空気をガッツリ壊した。
「こ、こんにちは………」
人間は言葉を返したっ。それも運良く日本語で!!
これがフランス語とかロシア語とは訳分からないので返されても、まとも会話ができないし、人間が入っている言葉がフランス語だったことも気がつかないで終わるだろう。
いや〜安心安心…!
しかも私と同じくらいの歳ぽそうだし、もちろん女子だ。
「あ、あの…あなたは……?」
彼女は私に問いかけてきた。
綺麗な透き通る声で…。
「わわ私はっ地球に生息している人間というものですっっ!!」
私は彼女に話し返した。
焦るような篭る声で…。
「ふふっ。人間なのはなんとなく分かってたっ」
彼女は笑った。
フレンドリーな子でよかった〜。
「ねえ、名前なんて…」
「今は早くこっちに来てっ…!」
私が微笑みながら問いかけようとしたが、彼女が焦りながら私の手を引っ張り出した。
その手は、とてもとても冷たく人間とは大違いの温度だった。
「ねえ、どこ行くのっ……?」
彼女は『アフタヌーンティー』の地図を覚えているらしく、慣れた足取りで大きな岩の後ろへと行った。
そこで小さな声で彼女は言う、「今は静かにして。絶対にそこにいること。どんな会話が聞こえてもそこから逃げたりしないでっ。必ず戻ってくるから」と。
いやいや、急に言われてもっ!!
そして彼女は足早に私から去って行った。
『どこに行くんだろう?』『本当に戻ってくるよね?』という気持ちが私の足を動かそうとする。
でも今は彼女の言うことを聞かないといけない空気だったのでとても悔しいが我慢することにした。
彼女の足音がだんだん遠ざかって、やがて止まった。
そしたら急に喋り声が聞こえた。
なんて言ってるか必死に聞こうとして、精一杯耳を傾けた。
「なあ、ついさっき人間の匂いがしたはずだが、お前…もしや…………」
声を聞く限り、おっさんだろう。
そして人間の匂いというのは私のことだろう。
「いえ、私は地球外生命体として生きていくことを誓ったので今更裏切る訳がありません」
彼女の声が静かに響く。
「でも人間の匂いがするっ!!どこかに人間が潜んでおるのかっ、出てこい!!!」
おっさんは低い声で怒鳴りあげた。
そんな彼に対し、『静かにしないと人間が逃げる可能性が…』とか『そうだっ出てこい!!』と声をかける人はいないのでおっさんと彼女一人と見ていいだろう。
ってか、これそのうちバレんじゃね?
私はおっさんに見つかるのを恐れ、自然と呼吸を極力しないようにしていた。
「確かに、人間の匂いがするかもしれません。一応探してみますか?」
彼女は、おっさんと協力し私を探そうとしている。
もしやあの二人…グルだったのか!!
だったら私が隠れている間におっさんに今の状況を紙か何かで説明し、私はこの場から動かないので彼女らは私のいる場所が特定できる…。
「そうだな。探すか!!!」
自然と息を潜めているせいか、それとも緊張しているせいか、やけに心臓がなっていた。
そのせいで周りの音に集中できない。
私はここから逃げたほうがいいのか…。
けど彼女の声は本当だと信じたい。
というか、彼女の声は嘘をついていないのを心のどこかで分かっていた。
だからどんな怒鳴り声が聞こえても、どんな私への残酷な怒鳴り声が聞こえてもじっと待っていた。
すると突然、「お、お前………わ、私に何を……うっ、う…あ、ああああああああああああああああああああ!!!!!」と、耳が痛いほどのおっさんの叫び声が鳴り響いた。
何が起きたんだろうか?
私は強くなり意味もないのに頭を守った。
数十秒後、足音が近づいてきた。
「もう大丈夫だよっ」
彼女の優しく透き通って私の心臓の心拍数を一気に低くしてくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます