おぉ!今いる惑星ちょうど良すぎて住み心地ベストじゃん!!(惑星での冒険ー1)

それからのことは怖いほどに覚えていない。

 下校中の花の匂いや、誰かの笑い声。

 家に帰った私は、部屋で何かをしていた。

 その『何』が思い出せない。

 そのあとお母さんと一緒に誰かの家に行った気もする。

 お母さんの悲しい顔と申し開けなさそうな顔だけはかすかに覚えていた。

 

 次の日。

 私は学校に行った。

 上履きがなかった。

 仕方がないっ、学校の名前が入ったスリッパを履くことにしようっ。

 私はスリッパを履いてスキップしながら教室に入った。

 すると、『真ん中女子』ちゃんが声をかけてきた。

 「ねえ、『おしゃれ女子』ちゃんに謝ってないんだって?」

 「‥‥‥‥」

 私は言葉を詰まらせた。

 『真ん中女子』ちゃんの言っている意味が分からなくて分かっていたから。

 その代わり、「あ〜!前、『おしゃれ女子』ちゃんの鉛筆のキャプ間違えて踏んじゃったこと?それは謝らないとっ。けど、今日『おしゃれ女子』ちゃん来てないね」と、言ったが果たして良かったのだろうか。


 そんな思いはすぐに解決した。

 そう、果たして良くなかったのだっ!!!!

 すると彼女は睨みながら口を開いた。

 「ねえ、自分が何したか分かってるよね。そんな人のことも気にしない自己中だから嫌われるんだよ」

 うーん、実際レーヴとはとてつもなく仲いいし、だってついにはレーヴと会話が成立するんだぜ!こんな素敵なことどこを探してもないじゃないか。

 もしかしたら自分が自己中かもしれないけど、そもそも友達なんてレーヴくらいしかいないし(というかレーヴだけ)自己中が与える被害は少ないと思うんだけどなぁ。

 あーあ、みんな私の良さを分かっていないなっ。

 死んだら生まれ変わるとかいう説はあるけどさ、もし人生が一度きりだったら馬鹿騒ぎしてみんな楽しく終わった方がいいじゃないか。

 まあ、みんなが楽しいと思っていても片隅では悲しい人も生まれるのは当たり前なのだが。

 「ねえ、また妄想中なの?」

 「ほんとだぁ。気持ち悪ぃ」

 あ、やばい、また妄想の世界に入ってしまった。

 急いで我に返った頃には、なぜか『一番背が小さい子』ちゃんも加わって私に背を向けて自分の席へと帰って行った。

 



 ーただいまー


 ー行ってきますー


 ーただいまー


 ー行ってきますー


 ーただいまー




 一ヶ月間過ごした後に、事件は起こった。

 「ただいまー」

 自分の家のドアを開けた瞬間に、なんか『あれ、こんな感じ前にもあったような?』的な気分に襲われ頭がグラグラし、気づけば目の前の液晶画面が真っ暗となっていた。


 「う、うぅ……」

 液晶画面に色が戻ったのは案外すぐだった。

 「ここは………」

 間がグラグラする頭を右手で抑え、ゆっくり立ちながら辺りを見回した。

 見てみると、そこは宇宙だと分かった。

 そして、よく知らない星だった。

 上を見ると、星一つ一つがやけに輝き大きく見えて、とにかく眩しかった。

 自分のいる惑星は『うわっ、でかっ』ていうほど大きくはないし、あの有名な惑星に住んでいる王子様のお話の惑星ほど小さくはない。

 まあ、住み心地はベストだろう。

 そして、少し落ち着いたところで今の状況が何かと重なった。


 ー一ヶ月前に突如起こったあの現象と同じだということを……ー



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