第4話 出発

 ギルマスから渡された依頼書をミリーちゃんの所へ持っていく。


「ミリーちゃん、コレ」


「はい、依頼書ですか、ふ~んどれどれ…。うあ、なんですかコレ」


「まあそういう事。メインはアタシが片付けるけど、それ以外もって事で他の人もだって」


「はぁ、そうですか。しかしメインって、キラさん大丈夫ですかこれ?」


「う~ん、戦った事ないけどね。なんとかなるんじゃないかな」


「なんとかなっちゃうんですか。えーっと、わかりました。とりあえずこの依頼書貼り出しますんで、キラさんは休憩スペースのほうで休んでて下さい」


「休んでるのはいいんだけど、アタシなんかと一緒に行ってくれる人いるのかな?」


「う~ん、すぐ集まると思いますよ。とりあえず休んでてください」


 ミリーちゃんに休んでてと言われたので休憩スペースに向かう。

端っこのテープルについて休んでるんだけど。

 ……、人集まるのかなアレ?

 道中はいいとしても、結局ドラゴンに近づくわけだから結構危ないと思うし。

他のメンバーはアタシがなんとか守るけど、でもなあ…。

 

 あ、そういえばさっきアタシに声掛けた人ドコいったんだろ。見かけないけど平気かな?


 そんな事考えながら休憩スペースで休んでると。


「お嬢、お待たせしました」


「ん?」


「俺らが一緒にいくっス」


「(コクコク)」


 えーっとさっきアタシに声を掛けたきた人を連れてった人達だよね

この3人。


「えっと、依頼書見た?結構ヤバげだけど平気?」


「はい、一応自分達3人ともCランクですし、道中は平気かと」


「さすがにドラゴンは無理っスけどね。途中までならなんとかなるっス」


「(コクコク)」


「そっかー、じゃあお願いするよ」


「はい、任せてください」


「うん。あ、そういえば三人とも見かけた事はあるんだけど名前知らないんだよねアタシ。自己紹介とかいい?」


「はい、自分はダリルって言います」


「俺はリックっス。でこの無口なのがライアンっス」


「(コク)」


「無口なヤツですが腕は確かです」


「無口とかそういうのへーきへーき、きちんと仕事してくれるなら問題ないでしょ。それではしゅっぱーつ、っていきたい所だけど、アタシっていつもソロでしょ。人数いるとどうするのか分からないし、馬車で行くらしいし、よかったらそこんとこ教えて欲しいんだけど」


「わかりました、それでは自分が説明します」


 ダリルさんに色々と説明してもらう。

とりあえず今回はアタシ+3人ってことでそれほど気にしなくてもいいらしい。

 それぞれ役割が決まってるしね、アタシはドラゴン、ダリルさん達は道中での戦闘と。

 道中での戦闘で手を貸してもらえればそれでありがたいってことらしい。後、回復魔法を使えるのはアタシだけらしいので、できれば回復もと。


「馬車の手配は自分がしますので、お嬢は野営の準備などしてきてもらえれば」


「ん、わかった」


「じゃそれぞれ準備して、南門のところに集合ってことでいいっスか?」


「うん、それで行こう」


 というわけでギルドを出てそれぞれ準備に向かう。あ、宿屋のおばちゃんにも声かけとかないと。



「おばちゃーん」


「あ、キラちゃんお帰り。早かったね」


「これからアタシ討伐に向かうんで、その報告に。たぶん4、5日かかると思うんでよろしくね」


「ああ、わかったよ。気をつけて行ってくるんだよ」


「うん、じゃ行ってくる」


「行ってらっしゃい」


 宿への報告を済ませ、買い物などをすませたアタシは待ち合わせ場所の南門へと向かう。

 えーっと馬車はどこかな?


「お嬢、こっちっス」


「お待たせ、みんな準備早いね」


「他のヤツらと組んで、馬車で目的地まで移動ってな依頼も受けたことあるんで慣れてるっスよ」


「(コクコク)」


「アタシ馬車に乗るの初めてなんだよね。お尻とか痛くならないのこれ?」


「昔の馬車はひどかったらしいですが、最近の馬車は改良されてましてそれほどひどくはありません。まあ、それでも慣れないと最初はきついかもしれませんが」


「なるほどー」


 じっくり馬車を見てみる。

思ってたほどは大きくないかな、まあ4人でいくからこんなもんか。

 お、車輪のとこにバネみたいのがついてる。サスペンションかなこれ。


「馬みていい?」


「いいっスよ。あ、後ろからは近づかないでくださいね、ヤツラびっくりしちゃうっスから」


「(コクコク)」


「ん、わかった」


 リックさんから言われたように正面から回って馬に近づく。おお、馬ってここまで近づいてしっかり見たの始めてだなアタシ。へー、綺麗な目してるなあ。


「お、おお、おう」


 馬を見てたら二頭の馬が顔を近づけてアタシの肩とかグリグリしてきた。


「へー、さすがお嬢っスね、馬に好かれてますよ」


「これ撫でてやっても平気かな?」


「大丈夫っスよ、優しく撫でてやって下さい」


「ん、よろしくね」


 そう言って優しく馬を撫でてあげる。


「よし、んじゃいこっか」


「うっス。ってお嬢、荷物は?」


「ん、ココ」


 と何も無い腰の辺りを指してあげる。


「空間収納持ちですか、さすがお嬢ですね」


「へー、すごいっスね。ああ、だからいつもお嬢って手ぶらなのか」


「そゆこと」


 とりあえず馬車に乗り込んで出発する事にする。御者はダリルさんとリックさんがやってくれるらしい。

 南門を出るときに衛兵のチェックを受ける。


「これからお嬢と討伐に行ってくるっスよ」


「え、キラさんと?あ、ほんとだ」


「うん、ちょっとみんなと行ってくるね」


「はい、お気をつけて」


 さあ、それではドラゴンのいる南の山に向かうとしますか。

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