第2話 ギルドへ
朝食を終えたアタシはギルドへ向かっている。
とその前にいつものトコに寄ってこうかな。
「オーッス、ちびっ子ども」
「あ、キラねーちゃんだ」「キラちゃーん」
そう言いながらちびっ子どもがわらわらと寄ってくる。
ここは所謂孤児院ってやつ。この国ってそこそこ平和らしいんだけど、まあ、どこでもこういうのってあるよね。気が向くとここに遊びに?手伝いに?来てるのが最近のアタシ。
いやほら、ここって異世界なわけじゃない、というとさ、いままでアタシが見たことの無い人種っていうの、そういうのがいるのよ。
でほら、ケモミミ?っていうのかな。そういうのが付いてるちびっ子どもがいるわけで、結構カワイイ物好きなアタシとしてはこう、ピキーンときちゃったわけだ。
でまあ、手伝いがてらっていうかなんていうか、ここに来てるってワケ。
この世界って15才で成人らしいんだけど、成人した獣人の人達の耳とかって気軽に触っちゃダメなのね、でも成人前ならオッケーと。
てなわけでクリクリした目にケモミミが付いてるちびっ子どもを、うりうりしてるわけだこれが。
「あ、キラさんいらっしゃい」
「サナさん、はよー」
「今日はいつもと格好がちょっと違いますね。これからギルド?」
「うん。なんかね、ギルマスが頼みたい事があるんだって。だからちょっとね」
「そうですか。ほらほらみんな、キラさんはこれからお仕事ですよ」
「えー、ねーちゃんどっかいくの~」
「ん、ねーちゃんはこれからちょっとギルドに行って来るからまたな~」
「みんな、キラさんにいってらっしゃいは?」
「「「キラねーちゃんいってらっしゃーい!!」」」
「おーう、いってきまーす」
「またいらして下さいねキラさん」
「ほーい」
てなわけで、ちょっと癒し分を補給してギルドへ。
「キラちゃんこれからギルドかい?」
「うん、そう」
「そうかい、ならこれ持ってきな」
と果物屋のおっちゃんが投げてくれたリンゴを受け取る。
「ありがとねおっちゃーん」
「キラちゃんギルドかい?依頼受けるなら気をつけるんだよ」
「うん、ありがとねおばちゃん」
ギルドに向かう道すがら、声を掛けてくれる人達にこっちからも声を返しながらギルドへ向かう。
気持ちのいい人達が多いんだよねこの街って。
そんなこんなしながらギルドに到着っと。…はぁ、ここまで来てもメンドくさい。
しかたない、行くか。
「こんちわーっと」
「あ、お嬢だ」
「キラさんだ。久しぶりに見た」
「え、アレって誰?有名人?」
「なんだお前知らないのかよ、彼女はな…」
なんかザワザワしてるけど、サクッと無視してっと。えーっとミリーちゃんはっと。
「うっす、来たよミリーちゃん」
「あ、来てくれたんですねキラさん。今ギルドマスターに連絡取りますんでちょっと待ってて下さいね」
「うん」
しかしアタシに頼み事ってなんだろう?
「すまん、ちょっといいだろうか」
一度アタシ、派手にやらかしちゃってるしなあ。
「…コホン。あー、ちょっといいだろうかキミ」
でも基本的にアタシはただのCランクだし、あまり面倒な事言われてもなあ。
「…んんっ、オホンッ。ちょっといいだろうかそこのキミ」
「あ、アタシ?」
「そうキミだ。ちょっと話があるんだがいいだろうか」
「なに?アタシこれからギルマスと話があるんだけど」
「なに時間はそうかからん。聞くところによるとキミはいつもソロで行動してるそうじゃないか、ソロもいいかもしれんが依頼によってはPTも大事だと思う。そこでアレだ、この僕が一緒のPTを組んであげようと思うのだろうがどうだろうか」
「あー、悪い。アタシそういうのはいいんで」
「いやそういうがキミは女性だろ、女性1人では大変な依頼もあると思う、そこでこの僕がだな…」
(おい、あいつキラちゃんにPT勧誘してやがるぞ)
(は、バカだろ。お嬢の実力しらねーのかよあいつ)
(最近こっちに来たばっかのヤツじゃねーのか)
(あーそっか、それなら知らねーのか)
(でもどーするよ?キラちゃんキレるとまずいぞ)
(まずいよなあ、どうすっか…、あ)
(ヤツらが動いたな)
(ああ、なら平気か)
…はぁ、PTの勧誘かよ。最近そういうのは無かったんだけどなあ。
どうすっかなあコイツ。
「なあキミ。僕の話を聞いて…」
「おっとそこまでっスよにーさん」
アタシにPT勧誘してたヤツは、いきなり現れた男達にガシッと両腕を掴まれた。
「お嬢、コイツは自分らにまかせて貰っても?」
「へ?ああ、うん。よ、よろしく」
「了解したっス」
「(コクコク)」
「なんだねキミ達は、僕は彼女に話が…」
「あー、ハイハイ。まあその前に俺らとお話っス」
アタシをPT勧誘してたヤツは、いきなり現れたヤツらに両腕掴まれてどっかに連れて行かれた。あ、なんか勧誘してたヤツを取り巻く男共が増えてるんだけど。
…、大丈夫かなアイツ。
「おまたせしましたキラさん。…えーっとなんかありました?」
「いんや別に」
「そうですか、ギルドマスターが部屋でお待ちですので、二階のマスターの部屋までどうぞ」
「ほい、んじゃ行ってきます」
んじゃギルマスの部屋にいくかな。何頼まれるんだろう。
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