ヒーローインタビュー

冬野 周一

グアラニー語で

 プロ野球「ウイキパディアフェイクス対ゴーグルマシーンズ」は7-6でフェイクスがサヨナラ勝利した。

 今日の「ヒーローインタビュー」は誰だろう。

「放送席、放送席!そしてスタンドのファンの皆様、今日のヒーローはもちろんサヨナラホームランを打った『マシア』選手です!!」

 紹介を受けてマシア選手と通訳がお立ち台に上がった。

「マシア選手。来日初ヒットが初ホームラン、しかもサヨナラホームラン!今はどんな気分ですか?」

 通訳の井伊佳厳(いい・よしたか)は流暢な英語で『マシア選手』に伝えた。

 するとマシア選手は「〇〇〇・△△△・×××・□□□」と答えた。

「・・・・・?」通訳の井伊の目が点になった。

「えーー!何語だ!?英語が喋れると聞いていたぞ、どうすんだよ。えーい、仕方がない適当に訳すしかない」

『えー、もう最高です!サヨナラホームランなんて初めてだから興奮しています!』と井伊が答えた。

 場内からは拍手とメガホンが叩かれ歓声が響き渡った。


「そうですか、初めてのサヨナラホームランですか。マシア選手は南米『パラグアイ』から初のプロ野球選手として昨日来日されて、今日が記念の初出場です!」

「マシアさん、この熱狂的なフェイクスのファンの皆さんはどうですか?びっくりしましたか?」

 通訳の井伊が流暢な英語で『マシア選手』に伝えた。

「△△△・×××・□□□・〇〇〇」マシア選手が答えた。

『えー、凄いですね。こんなたくさんの人達は見た事がありません。こんな声援をもらえて最高でーす!!』と井伊が答える。

 またまた場内からは拍手とメガホンが打たれた。


「そうですか、ファンの皆さんは『マシア選手』に期待しています、明日も打ってもらえますか?」

 通訳の井伊が英語で伝えた。

「×××・□□□・〇〇〇・△△△」

『えー、そうですね。明日も打ってお立ち台に上がりたいですねー!フェイクス・ファンは最高でーす!!』

 場内からはさらに大きな歓声とメガホンが打ち鳴らされた。


「そうですか。明日も頑張っていただきたいですが、今日は何かお祝いをされますか?」

 通訳の井伊が英語で『マシア選手』に伝えようとすると。


 彼がパラグアイの母国語であるグアラニー語で「アグイジェ!」

「どうもありがとう!」

「ぼくは にほんしょくが だいすきです!きょうは これから かいてんずしに いって たくさん すしを たべまーす!」

「あしたも がんばりますので どうぞ おうえん よろしく おねがいしまーす!」

 と流暢な日本語で喋ったのである。


『マシア選手』は、パラグアイの『日本食レストラン』で働いていたことがあった。

 そしてそのお店の主人と日本語で会話ができるようになっていた。その頃からマシア選手は『にぎり寿司』が好物になっていたのである。

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ヒーローインタビュー 冬野 周一 @tono_shuichi

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