みらい児

真島 しろ

第1話 エピローグ

『ゾクゾクゾク』

マジかよ、なんでよりによって今なんだ。


強制的に目は閉じらされる。


ハッと気づくと目の前に広がるのは薄暗い世界。不気味であり、どこか懐かしい。

そこに僕は1人座らされている。まるで古い画館にいるように、ボヤけた何かが目の前にまた映し出される...


今回映し出されたのは黒い人間らしき物。その周りには灰色の地面に青い空。肝心の黒い人間はなかなかのアップではあるがやはりぼんやりとだ。


ここは...どこだ?


考えたって無駄な事は知っている。

どちらにしろ、この黒い何かに何もさせてあげられないからだ。時間が止まっているとはいえ、今の自分は夢を見ているぐらいなら一刻も早く現実と向かい合いたいのだ。現実に戻ったとしても彼の未来には関わる暇はない。

そうしているうちに黒い物体は動き出す。何かを探しているようだ。


俺は油断していた。

次の瞬間、画面いっぱいに赤が染まる。


「ちくしょう、また悪夢かよ」


そこで夢はプツリと途切れる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

みらい児 真島 しろ @majimajiro

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ