ジャパリまん取り物語
@Akepaper
竹一本
むかしむかし、サーバルといって昼は寝て夜は遊ぶ、元気で明るいフレンズがいました。
今日も彼女は、木の上でお昼寝をしています。
そよ風がサーバルの周りに吹いて、サーバルの耳を揺らしました。
「ふあああ・・・・昼寝は気持ちいな~」
サーバルちゃんが、木の上からサバンナ地方を見渡しました。
すると、どういうことでしょう。
一本のバオバブの木の周りが、今まで見たことがないほどのサンドスターで光っています。
サーバルちゃんが木から降りて、バオバブの木に近づいてみると根本がキラキラと光っていました。
そして、そこには小さな穴が開いていて三寸ほどの小さな子が眠っていました。
サーバルちゃんは不思議に思いましたが、あまりにも可愛いので自分の縄張りで育てることにしました。
それ以来、サーバルちゃんはなぜかキラキラと光るバオバブの木をよく見つけました。
そしてその中には必ず、穴が開いていて食べ切れないほどのジャパリまんが入っていたのです。
ジャパリまんは、ジャパリパークにおいてフレンズたちの通貨です。
フレンズたちは、ジャパリまんを使ってお互いお礼をしたり、ジャパリまんを条件としてお願いをします。
サーバルはなろうと思えば、バオバブの中のジャパリまんだけで幸せになることができました。
しかし、サーバルちゃんは自分だけ得をするのではなく、皆にジャパリまんを配ることにしました。
サーバルちゃんは丁寧に優しく育てて、人に優しくすることの大切さや、助け合いの重要さを教えました。
三カ月が経ち、最初は三寸ほどしかなかったカバンちゃんも一尺ほどまで成長しました。
そこで、サーバルちゃんはフレンズとして、名前をつけました。
名前は、成長をしてもカバンに入ってしまうほどの小ささなので、カバンちゃんです。
カバンちゃんは、成長するにつれて美しく、可愛くなっていきました。
カバンちゃんの噂はすぐにジャパリパーク中に広がり、いろんなフレンズたちが一目見ようとやってきました。
フレンズの皆から好かれて、毎日幸せな日々を過ごしていました。
カバンちゃんもぐんぐんと成長して、サーバルと共にさまざまな体験をしました。
ある時は砂漠地方に行ったり、海のそばまで旅行に行くことも
ありました。
サーバルちゃんとカバンちゃんのことを、「最高のコンビ」といっても誰もが納得していました。
そしてついに、三年の月日が流れました。
カバンちゃんも、少し小さなフレンズほどの大きさまで成長しました。
しかし最近になると、なぜかカバンちゃんが月を見て涙を流している時がありました。
そして・・・・・9月の15日には、カバンちゃんはこれまでにないほどの量の涙を流していました。
サーバルちゃんは、思い切って訳を聞きました。
すると、カバンちゃんは私は実は月の人であり、次の満月に迎えが来て月に帰る必要があると告白しました。
サーバルちゃんは、もう会えなくなることを恐れました。
そして、フレンズたちにお願いしてカバンちゃんが月に帰る必要がなくなるように、警備させました。
次々とさまざまなちほーから、力の強いフレンズや空を飛べるフレンズ、夜目が利くフレンズたちが集まり、必死にカバンちゃんを守ろうとしました。
皆カバンちゃんのことが大好きだったのです。
しかしいざ月からの迎えが来ると、フレンズたちは戦意を喪失してしまいました。
強固な防備も、あっという間に崩壊してしまったのです。
カバンちゃんは、ついに諦めました。
「サーバルちゃん、今までありがとう。元気で。」
カバンちゃんは最後にこう言い残し、サーバルちゃんにあるものを渡しました。
それは、天の羽衣と不老の薬でした。
カバンちゃんは悲しそうにしていましたが、月の使いが用意した穢れを祓う薬を食べ地上の衣を脱ぎ月の衣を着ると、地上への未練も忘れてしまい月に帰っていきました。
今までサーバルちゃんはバカにされるほど、元気でした。
しかし、カバンちゃんとの別れはサーバルちゃんを苦しめました。
サーバルちゃんは毎日、カバンちゃんとの思い出を思いだしました。
しかし、それらはもう消えかかっていました。
皆はサーバルちゃんを励ましました、しかしその声が届くことはありませんでした。
サーバルちゃんは、カバンちゃんがいないのに不死になっても仕方がないので、フレンズたちに頼んで最も天に近い山で、不死の薬を燃やさせました。
その時、サーバルちゃんは月に行ってもサバンナ地方の思い出を忘れないように、サバンナ地方の砂を詰めた瓶に手紙を一緒に入れたものも、不死の薬を一緒に燃やさせました。
それより、その山は「サンドスターマウンテン」と言うように
なりました。
その時の煙は今でも雲の中に立ち上っているそうです。
ジャパリまん取り物語 @Akepaper
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