第33話『ラノベに学ぶ』

今日も図書室の利用者は二人、お嬢様風はれいか、眼鏡の(黙っていれば)美少女は栞理。おいおい紹介もあるだろうが文字数が少ないのでいきなり本題。

「生まれ変わりって、本当にあるの?」とれいか。

「一万年と二千年前から愛してたり、前々前世から探す恋人もいるみたいだし、あるんじゃないのか?」と栞理。

「ぷー。もっといつも科学的じゃない」

「ん? いつもの君なら『ロマンチック♡』とか言いそうなもんだが。よしでは科学的に考えてみるか…。もしも本当に生まれ変わりがあるのなら、地球の人口は一定のはずだ。現に今は増え続けている。この理由はなんだと思うね、ワトソン君」

「魂のレベルが上がって、動物から人に生まれ変わるって聞いたことあるわ」

「つまり動物の霊は動物のグループでぐるぐる生まれ変わり、レベルアップすると人に、さらに上がると成仏というわけだな。よく出来たシステムだ」

「そうなの。なので、本当にあるの? って思ってしまって。でも成仏したら存在が消えちゃうみたいで悲しいわ」

まるで自分が消えることを心配しているかのようなれいかの視線を受け、栞理は笑って答える。

「消えはしないさ。その次は異世界へ転生だな、きっと」

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