第10話『総統も相当…』
ネットが地球を覆っても国家による法律や民族のルールが消えてなくなってはいない近未来。人々は…(略)。
ここはバーチャル空間に浮かぶマストドン連邦のコンテンツ戦略執務室。世界中からアクセスされ、表示されているアバターと現実の姿が一致しているとはかぎらない。
現実空間ではワイングラスを片手にソファーに座り、美猫を膝に抱きながら壁面スクリーンに映し出された文字列を見やるこの男も例外ではない。
「『我々は技術者であり法律家ではなくそれを明確に判断する術を持たない』か、ふむ。いいことを言うじゃないか…」
彼は生まれついての支配階級であり、某帝国を統率する立場である。その立場にあって、人が従う法について常に考えていた。
民主主義の利点と欠点、社会主義や帝国主義の問題点等々。結局は暴力装置たる軍事力を背景にした国家の法と経済に人は屈し従うしかないのか。
いまだ現実国家から切り離されていないバーチャル空間でも法によって人の行動は規制されるのか。
彼はそうした興味から常に新たなコミュニティについて情報収集をつづけていたのである。
「まずはお手並み拝見といこう。マストドンの諸君」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます