EPISODE5『会議』

「ところで父さん、俺は4月から桜ヶ丘学園高等科に入学するけど、瀬麗那はどうするの?」


そういえば、今まで色々あったから忘れていたけど確かに高校どうすればいいんだろう。


「その事でしたら心配いりませんよ」


と言い利也はズボンのポケットからスマートフォンを取り出すと連絡する。


「……あっ利也ですが、4月からそちらの学校に入学予定の本宮光という人物がいると思うんですけど、実はもう一人〝いとこ〟の本宮瀬麗那という人物を入学させたいのですが宜しいですか?……はい。年齢と性別ですか?……15歳の女の子です。では宜しくお願いします」


高校入学についてもあっさりと決まってしまった。


「入学手続きって色々書類を書いたりするんじゃないの?」


「確か、私立桜ヶ丘高校にお父さんの知り合いが居るって聞いたことあるぞ?」


「あっそれ、私も聞いたことあるよ!」


利也が色々とすごい人だということを初めて知る。


「学園長に許可を貰ったので、4月から瀬麗那さんは光さんと一緒の学校に入学出来ます」


「ありがとうございます」


「良かったな!」


「うんっ!」


「おや?もうお昼ですね。では、一旦この話は置いといて昼食にしましょう」


色々話し合っているうちにお昼ご飯の時間になり、残りの話は昼食を食べた後で話し合うことになった。


そして利也が作った料理をいただいた後、再び僕の事について話し合う。


「そういえば父さん?コイツの寝る部屋はどうするの?」


「お兄ちゃんの部屋で良いんじゃない?」


「えっ俺の部屋!?なんで!?」


「なんとなく?」


「なんとなくで決めるな!」


「だったら一つ使っていない部屋があるので、そこを使ってもらって構いませんよ」


「(チッ)」


「今、心春、舌打ちしただろっ!」


「言ってないよ?」


「いや言った!残念がってたじゃないか!」


「別にぃ~?」


「くそ~」


なんか、このまま放っておくと終わらない気がしたので、とりあえず落ち着いてもらうことにした。


「まぁまぁ二人とも落ち着いて」


「美少女は黙ってて!」

「美少女は黙ってろ!」


「えっなんで!?」


「(落ち着かせようと声をかけるが逆に怒られてしまった。なんで僕が…って言うか〝美少女、美少女〟言わないでって!)」


すると、二人のケンカを見かねた利也が止めに入る。


「二人ともケンカはそのくらいにして、瀬麗那さんが困っていますよ」


「そうだね。こんなことしても意味無いし」


「そうだな。ごめん美少女」


「(だから〝美少女〟言うなっ!)」


ようやく、利也の言葉で二人ともケンカをやめて仲直りをしたようで瀬麗那も一安心する。


こうして瀬麗那の今後についての話し合いは色々あったが無事に終わることが出来たのだろう。

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