せるりあん

みんなとボスが話せるようになったことで、とてもいいことがある。それは、今までじゃぱりまんや、そのフリフリした動きなどで引きつけていたフレンズ達を「呼ぶ」ことができるようになったのだ。そうすることで、フレンズをセルリアンから遠ざけることができる。

「リカオン!リカオン!そっちは危ないヨ!セルリアンがいるヨ!」

「セルリアンハンターである以上、セルリアンから逃げろなんてオーダー受け取れないッスよ!ヒグマさんとキンシコウを呼んでくるッス!…あれ?ボス喋ってる?」

…但しハンター達は遠ざかるどころかセルリアンに向かって行くようだ。リカオンはボスが話すことに少し違和感を持ちながら他のハンターを呼びに行ってしまった。

「あ…あ…あ…」

予想外の返答にフリーズしているボスの前に、直径がフレンズひとり分くらいの赤いセルリアンが現れた。それを目にするとボスのモード…的なものが切り替わった。

「中型セルリアンを確認、これより撃退を行いマス。ぱっかーん」


ヒグマ達がボスのところに駆けつけると、ボスがセルリアンを蹴って転がしていた。

「ボス…、なにやってるんでしょう…」

「てかボスってセルリアンに食われないんだな」

ヒグマの言った通り、セルリアンはボスには見向きもしなかった。それどころか抵抗もせず、転がされるままに転がっていた。

弱点の石が地面に触れる。そのままセルリアン自信の体重で石に力が加わっていく。しかし、ぱっかーんと割れたりはしなかった。

「水のあるところに運ぼうとしているのかしら…」

キンシコウが先程の自分の問いに答えるように呟くと、ヒグマは「そんなもん待ってられっか!」とセルリアンの石のある方へ飛び込んでいった。

「私が前で気を引きます!リカオンも前へ!」

「オーダー了解しました!」

後に続くキンシコウ、リカオンはセルリアン目玉のある方へ気を引きにいった。熟練のハンターである彼らにとって、この程度のセルリアンは狩り慣れたものである。特に大した戦闘もなくセルリアンは爆発し、地に返った。


「もう、ボスったら『危ないよ、逃げて』なんてハンターに言うセリフじゃないッスよ〜」

「あれ?ボスが喋ったのか?かばんがいないのに?」

「かばんが喋れるようにしてくれたんだヨ」

セルリアンを討伐した後、そこには談笑する4にんの姿があった。

「ところで、どうしてセルリアンを転がしていたんです?」

「水の中に落とそうと思ってネ。ボク達にはセルリアンは反応しないみたいだからネ」

「これからはセルリアンハンターを呼んでくれよな!」

「駄目デス。フレンズを危険な目に合わせることはできマセン」

ボスがハンターを呼んだことによってハンターが命を落とすのはあってはならないことだ。しかし、ヒグマにはそれ以上の考えがあった。

「私達が倒さなかったセルリアンがどこかでフレンズを食べてしまうかもしれないじゃないか!」

「わかったヨ…。」



—パークガイドに連絡、セルリアンハンターを名乗るヒグマ、キンシコウ、リカオンの3にんへの救援要請の許可を申請。

—暫定パークガイドかばんから連絡、『危なくなったらすぐ逃げることを条件として要請を許可』。


「ヒグマ、キンシコウ、リカオン。危なくなったら、すぐ逃げるって約束してネ」

「ああ。約束だ!」

「ええ、約束よ!」

「オーダー了解しました!」


こうしてボスはハンターと協力してセルリアンを討伐できるようになった。それによって困る、が出てきたのだが、それはまたいつか話そう。

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