みんなもボスとお喋りしたいみたいですよ

おれくん

ゆうえんち

ゆうえんちで「食べちゃうぞ」でボスと話したのはいいものの、サーバルとしてはもっと普通にいつでもボスと話したかったようだ。そしてそれは他のフレンズも同様であった。

特にオーロックスらによってボスがフリーズしてしまったためボスが話しているのを聴かなかったへいげんのフレンズ達は「へ〜、ボスって喋れたんだ〜」「だったら私達にも話せば良かろう!」等と言って特に興味を示していた。

「ボスは『ヒトにきがいが』とか言ってたよ、ってかばんちゃんにはもう話したね」と、サーバルが言うと、

「ならば私の自慢の角で一思いに串刺しに…」

「いいや、私が処分する」等とへいげんの王達は冗談を言ったが、ボスが「ダメだよ」と言う前にサーバルが今まで見たことないくらい怒り出したことは言うまでもない。


みんなでサーバルを落ち着かせた後、かばんはふっと思い立って聞いた。

「そう言えば、他にもボスは何か言ってなかった?サーバルちゃん」

「あー、そう言えば『きょか』とか言ってたよ。難しくてよくわかんないや」

多分、ラッキービーストは誰かの手によってフレンズと話すことを許可されていないのだろう。かばんがそのことを察するのにそれほど時間はかからなかった。

しかし、許可は他人から貰うものだということを知らないライオンは

「じゃあさ〜、その『きょか』ってのを探してくればいいんじゃない?」

と言い、またヘラジカは

「なら我々が探してこよう!行くぞ!ヘラジカ軍団!」

と言ってどこかに行ってしまった。


「あの…、」

否、ハシビロコウは行ってはいなかった。

「ボスに何で話さないか聞いてみたら?」

そしてさらっと重要なことを言った。

早速かばんがボスに聞いたところ、ラッキービーストは生態系の維持とパークの安全管理、案内のために作られたので、フレンズへの不用意な干渉は許可されていないが、人の緊急時にはフレンズと話せる。とのことである。

「あの時に『権限を付与』とか言ってたからボクがラッキーさんとみんなが話せるように『許可』すればいいんじゃないですか?」

「あ。権限を取り消すのを忘れていたヨ」

なにやらボスが「忘れていた」等というロボットらしからぬ発言をしているが、かばんはそこは気にしなかった。

「取り消す前に一つお願いいいですか?」

「かばんにパークを任せても安心だから取り消すつもりはないヨ。それデ、お願いって何かナ?」

「ラッキーさん、みんなとお話ししてください」



—暫定パークガイド かばんによるラッキービーストからフレンズへの干渉への許可を確認、また、文脈を解析した結果弱い命令を確認、これより積極的にフレンズへ干渉を行うことをパーク内の全個体に許可、及び司令。ただし、全てのフレンズ、動物及びラッキービーストの円満な関係を保持することを絶対条件とする。



こうしてフレンズはラッキービーストと「お話し」できるようになった。

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