おり

この思いを抱いてから、このタイトルは「おり」にしようと決めていた。


私は、東京のIT企業で働いている。

決して規則が厳しい会社でもない。有休も取得しやすい環境だし、比較的自由な会社だと思う。


にも関わらず、私の頭は凝り固まっている。

仕事をほっぽいて飲みを優先しているのを見ると、それは違うんじゃないかと思うし、後輩なのにその言葉づかいはないんじゃないかとか、その格好で仕事をするのはどうなんだとか。


いや、仕事に関わらず、私生活の全てにおいても頭が固い。

こうしないといけない。こうした方がいい。という考えがことあるごとに出てくる。

道を歩いているときだって、買い物をしているときだって、何かを食べているときだって。

自分のポリシーがあると言えば、なんだかカッコイイ感じがしてくるが、そんなイイものではない。ただのわがまま、自己満だ。

そうやって視野を狭くしたって見えるものはほんのわずかなのに、頭はいっこうにカチっと固まっている。


振り返れば、私の辿った道には、凝り固まった頭で捨ててきたチャンスがいくつ落ちているのだろう。

きっと、膨大に違いない。可能性は無限だと思って生活するようにしているにも関わらず、そんな始末。


自分で自分を縛っている。

まるで自分だけにしか見えない檻の中に私がいるようだ。鍵もかかっていないのに、「鍵がかかっていて外に出られない」と思いこんでいる私がその中にはひとりイライラとそれでいて焦っているように見える。

もっと自由な発想で、自分の好きなことに自信を持ってやっていけば、もっと見る風景は明るくキラキラと輝くのに。


あらゆる視点で、ポジティブに、素直に、誠実に物事を見ていきたい。

そんな見方をすれば、私の視線の先には、とても広大な土地にうねりながらも、いつまでも長く続く、輝く道が待っているのだろう。

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