空模様
春らしからぬ、とは、果たして何処の身の程知らずが規定するのか、事象に虚偽を騙らないとするならばそこから始めなくてはならないが、幸か不幸か私達の狭い世界は、そうしたことには特に都合良く、曖昧な空気を吸って生きている。「春らしからぬ」曇天がいつ泣き出すのか、見上げながらラジオを聞き流していると、そんな風に思う。見る間に高度を下げてくる灰色に押し潰されそうになっても、すり抜けてゆく風は生温いし、足早に変わってゆく人々の装いは淡い色に富んで如何にも、「春らしい」。
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