かそう
春の嵐を連れてくるかのような風が、窓枠をガタンと揺らす。カタカタ、小刻みに鳴り続ける音の中に規則正しく叩かれる、さながら扉のノック音によく似たサインを捉えた。カーテンを開け放つ。紅。刹那に視界を埋め尽くしたのは、春色の薄紅。ざざぁ、と横に流れていった花吹雪の後に佇む人影も、やはり、おなじように彩られて、殊にその蠱惑的な、少しずつ弧を描く吻の飾りは鮮烈に網膜を焦がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます