乱舞
鬼は入れ代わり、立ち代わる。悠長に転がってきた陽気は、急く人々の傍をクスリと笑いながら追い抜かし、気づけば半歩先一歩先で不規則なワルツを踏んでいる。おおい待ってくれよ、もう少し、一緒にいようよ。伸ばす手が届きそうで届かない距離、青空の抜ける真っ直ぐな季節の小路で、やはり春は曖昧に笑うばかりである。
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