第8話 森の家のお客人

 トランです。キメラやってます。

 今日は頑張ってウサギ3匹狩りました。自分と変わらないサイズのウサギってちょっと怖かったわ。鹿?あんなバケモン相手したくねぇよ。

 飯の支度してると誰か来たらしい。珍しいな。俺が生まれ変わって初めてじゃね?どうやらバアちゃんの知り合いらしい


「珍しいねあんたが来るなんて。ん?後ろの子達はなんだい?」

「ああ、ちょうど通りかかったからね。あの子等は精霊がやたら騒いでいてさ、行ってみたら拐われてたから助けてみた」

「精霊が?…あんたまた執務サボって外に出てたね?」

「…まあ、結果よければというやつだ」


 客の銀髪にいちゃんは思いっきり目を反らしながら誤魔化すように言ってた。


「それよりどう思う?」

「娘の方かい?あそこまで精霊に好かれてるのはめずらしいね」

「だろうな。だが精霊が騒いでいたのは…」

「坊主の方だろうねぇ。…暇になったら連れてきな。文字の読み書きくらいなら教えるよ。その後は本人次第だろうねぇ。無理強いは嫌いだろ?アンタは」

「ああ、すまないね」


バアちゃん達が話してる間、後ろのチビ達がめっちゃ俺の事見てるんですが…


「クマちゃんだ。かわいいなぁ」

「えー、へんなクマだろ?」


 へんってなんだよ!好きでなったんじゃねぇよ!

 銀髪にいちゃんは会話を終えるとチビ達を脇に抱えて走ってった。なんじゃありゃ!くっそ速えぇ!!


「嵐みたいな客だったな。結局誰なの?」

「さっきの男かい?あれは魔王だよ」

「ファーーー!」

「へんな反応するねぇ…あの先に魔族の国があるのさ。たしか名前は…ギルドラン、だったねぇ」


 魔族いるのかよ!ってか魔王ノリがかるいな!あんなんで大丈夫か?!


「そのうちに後ろの子供も来るだろうから仲良くしてやんな」

「お、おう」


 まさか泊まり込みじゃないだろな。食べ盛りのチビッコ共が来るんならウサギ3匹じゃ足んないやん。鹿いけってこと?

 めっちゃテンション下がる一日だった。



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