夜のシスバー
見てまわると言っても対して何もしなかったが、今度は普通の酒場に行って情報を集めた。
とりあえずここは、アニメやラノベとかにありそうな在り来りな異世界世界らしい。
魔王に脅かされてるとか屈強な勇者やらたくさんの面白そうな要素があったけど、今の俺には全く気にならなかった。
そして、何やかんやで夜.....。
「来ましたよ〜。マリスさんどこですか?」
店内は営業が終わったあとなのか、イスがテーブルに上がっている。
店には誰も居ない。
「おーい、いるんだろ? マリスさーん、出てきてくださいよ」
「呼ばれなくても、ここにいますよ?」
「うわっ!?」
振り返るとマリスさんの顔がどアップで視界に入ったから仰け反ってしまった。
「普通の現れ方してください...」
「これが私の普通ですが、何か言いたいことでもあるんですか『兄さん』? 」
「それまだ続けるんですか? もう営業外ですよね」
「言いましたよ、兄さんをいじめる為だって」
俺やっぱりこの子嫌いだ!
「でも、謝るなら許してあげてもいいですよ♡」
でも、可愛い!
「謝るって誰に? 」
「決まってるじゃないですか。兄さんの妹にですよ! 」
この場合どっちなんだろ。泣かせた方の妹なのか怒ってる方の妹なのか...
でも、話の流れ的には泣かせてしまった方の妹だよな。
「それで、どこにいるんですか? 」
「部屋に閉じこもってますが...今行くのは辞めた方がいいでしょう」
「何故ですか? 」
「殺されます」
「えっ!?」
俺の妹ってそんなに怖かったっけ?異世界に来て妹は暗殺者の属性つけて転生したのかな?
「くわしくは抱き殺されます」
いや違った。相撲取りにジョブチェンジだった。
「それでどうすればいいんですか? 」
「...そうですね。お兄ちゃんの妹さんは明日学校ですから...」
俺の呼び方が幼くなったマリスさんから、また新たな情報を得た。この異世界にはアドベンチャー異世界には珍しい学校なるものが存在しているらしい。
行きたいかだって? そんなものなくなってしまえばいい。
誰か魔法で吹き飛ばしてくれ。台風は当てにならん。
「で、聞いてましたか? 」
「はい? 」
どうやら俺は学校への不満を心の内で叫んでいたら、マリスさんの話を聞き逃したらしい。
「もう一度言いますよ! お兄様はここで働いて貰います」
「僕がですか? 」
「僕がですよ」
「なんですか? 」
「タダ飯食べさせてあげたじゃないですか」
えー、そこでその事を出してくるんですかこの子は。
「出来れば働かずにお金を稼ぐ方法はありませんか? 異世界まで来て働くなんてないですよ」
「異世界というのは分かりませんが。...働かないならいい仕事がありますよ」
「どんな仕事ですか? 」
働かずに稼げる仕事なら是に教えて欲しい。自分で言うのはなんだが。
「毎日通学してください」
「Pardon? 」
「.....?」
あ、やばいやばい。つい、英語の授業でよく言っていた言葉を突発的に言ってしまった。
「もう一回言ってください? 」
「毎日通学してください」
「どこに」
「学校に」
「どうして」
「稼ぐためです」
学校に行くだけでお金が貰えるなんてそんなうまい話があるわけない。それなら俺は毎日憂鬱になることも無く、スキップで学校行ってたぞ。
「具体的には学校に行って一位になってください。言っときますが拒否権はありませんので」
「え?何故?」
「その前にとりあえずこれを飲んでください」
「これを飲めばいいのか?」
豪快に飲んだ。
「...? 別になん...にも...ないじゃ...にゃいか.....」
「この睡眠薬よく効きますね! それじゃあ明日学校で運命の再開と行きましょうか」
俺は変な人から変なものを飲まされて、目が覚めたらという展開を今まさに体験していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます