レナ先生と僕とクラスメイトの日常が卑猥過ぎる

パイ吉

第1話 こんな先生が担任って幸せ……なのか?

 桜の季節、僕は晴れて私立倫理館高校へ入学した。

 地元でも有名な進学校ではあるけれど、偏差値を底上げしているのは特別進学クラスの生徒のお陰であり、普通科クラスのレベルは中の上といったところ。

 そういう自分も普通科クラスなわけで、たいして自慢できるような特技も無ければ、中学時代、部活に打ち込んできたというわけでもない。

 まあまあ頭がいいことを除けば、あとはいたって平凡などこにでもいる男子なわけだ。

 でも、ルックスは意外とイケてる……と信じたい。

 

 僕のクラスは1年2組。同じ中学出身者は1人もいない。

 改めて教室の中を見回す。360度、どこを見ても男子、男子、男子。今さら後悔しても遅いのだが、倫理館高校はまさしく男子高なのだ。

 そのことに気がついたのは受験のあと合格通知をもらい、担任の何気ない「倫理館高校は伝統ある男子高だからな」という一言を聞いたときだった。

 せっかく合格したのに非常に残念な切ない心境に一変し、なんとも矛盾した中学生活最後のときを過ごしたのである。

 ああ……思い出すだけで憂鬱になる。

 せっかく、前向きに高校生活をエンジョイしようと脳内スイッチ切り替えたのに……。

 

 ガラガラっと教室の扉を開いて、1人の女教師が入ってきた。

 その瞬間、教室中の生徒から「おおおっー!」という歓声が起こった。

 白い肌に整った顔立ち。少しだけキツそうな性格を思わせる瞳。背中まで伸ばしたストレートの黒髪をなびかせながら女教師は教壇に立ち、真っ直ぐに僕達を見つめた。

 何よりも、彼女が歩いているときに横から見ても分かるほどの豊満なバストは、正面からとらえるとさらに驚愕するボリューム感だった。

 スーツのインナーはパツンパツンに膨らんで今にも張り裂けそうなくらいだ。

 こんなに大きなおっぱいは見たことない……。

「皆さん、初めまして。2組担任の野村怜奈です。担当科目は国語です。よろしく」

 怜奈先生が自己紹介をして頭を下げる。

 すると、深い胸の谷間がチラッと見えたものだから再び教室中にどよめきが起こった。

 席、前の方で良かった。

「先生、何歳ですかー?」

 後ろの方から質問が飛んできた。

 まったく、女性にいきなり年齢聞くなよな。失礼な奴め。

「25歳よ」

「怜奈先生、スリーサイズ教えてくださーい」

 ヒューという口笛の音とともに、笑い声が起こった。

 こーゆーバカがいるんだよな。ったく。

 この場合、セクハラ発言された女教師のとる対応は2つしかない。

「もう○○君たら、そんな恥ずかしいこと、答えられません」と言いながら頬を赤く染める。もう1つは「今の発言は問題ですよ。いい加減にしなさい」と言う風に毅然とした態度で注意する。

 怜奈先生の場合、温和な口調で話してはいるが見た目からして完全に性格のキツイ美人系。必然的に後者の対応をとるであろう。

「えっと、身長167、バスト110、ウェスト61、ヒップは……測ったことないから分からないな」

 答えるんかいっ!

 って、バスト110!

 で、デカイ。

 怜奈先生の発言で教室のざわめきが治まらない。

 そりゃそうだ。

 聞かれて素直にスリーサイズ答える女教師とか、おっぱいも含めて色々な意味で規格外だよ。

「怜奈先生、それって何カップなのー?」

 そこまで聞くかー。

 さすがに先生もそこまでは――。

「Jカップよ」

 答えるんかいっ!

 って、Jカップ!

 もうグラビアとかAVとか成年コミックの世界じゃないですかー!

 やばい。

 「J」というアルファベットがこんなにもエロい言霊の力を秘めていたなんて。

「先生、いつからおっぱい大きくなったんですかー?」

「高校のときは何カップですかあ?」

「海やプールでビキニ着たりしますか?」

 矢継ぎ早に質問が飛び交い、教室はパニック状態に陥った。

 入学して早々、担任教師の巨乳でカオスに陥るクラスってどうなのよ……。

 そりゃ僕も巨乳は大好物だし、興味もあるし、むしろこのあとの時間ずっと怜奈先生の巨乳エピソードが聞きたいさ。

 しかし、いくらなんでもそんなに洗いざらいぶっちゃけてくれるわけ――。

「みんなー、静かにしなさい」

 ほら、注意された。

「先生に質問があるのは、よく分かります。今までもそうでしたから。今は時間が無いから、先生からできるだけ話すね」

 話すんかいっ!

「胸が大きくなりはじめたのは、小学4年生のとき。6年生のときにはEカップまで成長したの。中学でGカップ、高校でIカップ、大学で今のサイズまで大きくなったわ。初めてブラをつけたのは小学5年生。高校のときにはお店に販売しているサイズが無くて、母に通販で購入してもらったの」

 ほ、ホントにしゃべっちゃうんですね……。

 高校生でブラのサイズが無くてお母さんに通販で購入してもらうくだり、泣ける。

「海とかプールは大好きで、夏は必ず遊びに行くわ。もちろんビキニでね。ちなみにビキニもサイズが無くてね、やっぱりネットで注文してるの。最近はけっこうカワイイのも増えてきたわ」

 怜奈先生のビキニ姿……。

 や、やばいぞ。目の前の巨乳にビキニを妄想していたら下半身に血液が流れ込んで……。

「えっと、初パイズリは中学3年のとき彼氏に。みんなの年ならパイズリって分かるよね? 胸の大きな女性がする性的な行為なんだけど、胸の谷間に男性器を挟んで刺激し、性的快感を与えるの」

 はっ!?

 パイズリって言った?

 教師がパイズリって……。

 僕の中で常識とか羞恥心とか色々なものが音を立てて崩壊していくと同時に、教室内は歓喜の声に包まれた。

「まだまだみんなも質問したいことあるだろうけど、時間だから今日はこのへんで。明日から授業始まるから、忘れ物しないようにね」

 怜奈先生が笑顔で言いながら両腕を組む。

 バレーボール並みに大きなおっぱいがムニュっと揺れて、その柔らかさを想像せざるを得なかった。

 伝統ある男子高にこんなにも美人で背が高くて、細くて巨乳の女教師がいるなんて!

 極めつけにエロいときたもんだ。

 僕はエロゲの主人公かよ! 

 嬉しさのあまり心の中でキレのよいツッコミを叫びつつ、にやける顔を必死で抑えながら昇降口に向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る