第2話 彼女は。

 私と同じ顔の彼女は私だという。

少しの不安とそれを上回る恐怖が私を支配する。

それと同時に彼女もまた泣き出しそうな顔をするのだ。


「なんで私が二人いるの…。」


「こっちが聞きたいわよ。」


声もそっくりだ。


「これ、みんなに知られたらどうなるの?」

彼女が言った。


うちはセキュリティーも厳しい。不審者とは違うような感じ。

この子なんなの?


「…たぶんあなたが侵入者として追い出される??」

私が答えると

彼女は


「なんで私が?侵入者はあなたでしょう?」


訳のわからないことを言いだした。


「ふざけないでよ!!私は今まで寝てたのよ?なんで私が!」


「だってここは私の部屋よ!」


「はあ?じゃあこれはいつ誰にもらったかわかる!?」


私は枕元にあった七歳の誕生日におばあ様からもらったクマのぬいぐるみを見せた。友達にも誰からもらったかなんて話していない。


「当り前よ!七歳の誕生日におばあ様からもらったものよ!」


…どうして

この人が答えられるの?


「…いつからここにいるの?」


「さっきまで学校にいたの。夕方だったわ。」


「今は朝よ?」


「わかってる。気を失って目が覚めるとここにいた。眠ってる私がいたわ。」


「どういうこと?」


「わからない。」


二人で考えても答えは出そうになかった。



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