証明するもの。

@hamukotarou

第1話 もう一人

  私は、大手企業百瀬グループを経営している百瀬太郎の孫娘で、百瀬達郎の娘百瀬花としてこの世に存在していた。

 家には家政婦やボディーガードもいるしプールもある。

何が言いたいかというとお金持ちのご令嬢だということ。


 父も母も優しく、ほしいものは何でも手に入った。

お金さえあれば何でも手に入ると教育されてきたし、今まで手に入らなかったものなどないものだからそれが正しいと思ってる。


 しかし、今、目の前には欲しくないものまであるものだからとても困惑している。

 


ジリリリリリ・・・


 不快な目覚ましの音で目が覚めた。

高校二年生の私は決まって朝七時に起きる。朝は苦手なほうだ。


眠い目をこすりながら起き上がると私と同じ部屋着を着た少女が立っていた。


「…だっ、だれ?」


鏡で見る私の顔とよく似た顔だった。


「えっと、私は百瀬花。」


彼女は私の名前を口にしたのだ。









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