行間1

 結局、生きるためには何でもした。


 生きるための目標も無く、殺すべき仇も無く、ただ生きることに必死だった。


 始めの頃はひたすら働いた。


 働くことは嫌じゃなかった。


 ただ、イレイザーに乗ることは嫌だった。


 家族を殺したイレイザーに乗らないといけないことに、そんな弱い自分に強い嫌悪感を抱いていた。 


 でも、邪魔なものに、余計なものに構っているわけにはいかなかった。


 故に、そういうものと一緒に忘れてしまおうとした。


 帰れぬ故郷も、消えた家族も。

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