第5話 パッパラパーラーパーラーパー♪
ということでこれで物を食べれる&食べると体が大きくなるというのがわかったのだが、ここでまたさらに問題が。
(食べると体が大きくなったってことは食べ続けたり大きなものを食べてると大きくなっていくのかな?)
(どうなんだろ。食べずにいると体が縮んでいくっていうのも考えられるけど。)
(ていうことはさっきまで私たち縮んでたのかな?)
(だったら早いとこ解決策見つけられて良かった。)
なんか知らない間にミニマムサイズとかになってたらいろいろと危なかったかもしれない。
まだスライムになって1日くらいしか経っていないし、今後どんな状態になるかわからないから自分達の体がどういうものなのかを少しでも知っておかないと。
しかし、もし体が少しづつ小さくなっていくのだとしたらある程度食い溜めしといた方がいいのだろうか?
でもあんまり大きくなると動きが遅くなったり身を潜めにくくなるだろうからどこまで食い溜めしとくかは慎重に考えないといけないかな。
(どれくらい大きくなっとくべきかな?)
(私は今のままでもいいような気がするけど。一応まだ食べるものも近くにあるし、遠出しない限りはこのままでいいんじゃないかな。)
(それもそうかな。でも食べるものが近くにないときに対処できるようにはしたいよね・・・)
確かに今は食べるものが近くにあるから大丈夫だけど、もし砂漠地帯みたいな食べられるものが近くにない場合は野たれ死ぬかそもそも砂漠地帯にいかないかの二択になってしまう。
できるだけ行ける場所は増やしておきたいし、何かと保険はかけたいよね。生命(リアル)保険的な。
(食糧を持ち運べたらいいんだけどね。)
ふむ。持ち運ぶか。
確かどこかの漫画に食ったものを腹の中に保管しとくみたいなキャラクターがいたような・・・。
いや、でもさっきみたいに体に入れても食べちゃうだけだし、保管なんてできないよね。
・・・そういえば私達はどうやって視界を映し出してるんだ?
だって目なんてない・・・と思うし。太陽で自分の影ができるとき確認してみたけど、光をある程度透過するおかげで全身が均等に半透明な体であることが確認できた。
もちろん自分の目(?)があるであろう位置もちゃんと他と一緒で透過していた。
同じ透過率でできた目ということも考えられるけど、そもそも私の視界と美景の視界は違うみたいなんだよね。
私が浜辺をに目を向けながら作業している間に美景は周囲を観察していた。
もちろん真後ろにある赤い大樹の方も。
私の視界には赤い大樹は入っていないので、順当に考えれば視点が2つあると考えられる。
そこで2つの視点があるであろう場所をお互い見てみたのだが、見事に何もなかった。ということはそこに目がないということで。
(ほんとに私たちってどうやって見てるんだろうね。)
(うーん。もしかして魔法みたいなもので見てるのかな。)
魔法。
確かにスライムみたいなファンタジーの定番がいるなら魔法もあるはず。
で、私達はそれを無意識に使って見ていると。ということは魔法を使っているということなんだけど、魔力的なものがわかるわけでもないので結局原理がわからないから他の魔法は使えない・・・本当に?
(ちょっと試したいことあるから草食べていい?)
(いいけど何するの?)
(どうにかして食糧を持ち運べないかなって。)
(でも食べたら消化しちゃうんじゃないの?)
(まあ一回試させてよ。)
ということでちょっと草をむしる。
まずはイメージ。
目を開いている時の感覚を1つ1つ確かめていって、そして次の行動のイメージと擦り合わせていく。
あ、わかったかも。
イメージは食べる時と同じく頭上に穴を開けてものを入れる。ただ違うのは吸収するんじゃなくて中にしまいこむイメージ。クローゼットにものを保管するイメージ。
そのイメージに見る時と同じ感覚を擦り合わせていくとき、何かの流れが認識できた。これが魔力なのかもしれない。
そして私は草を中に入れる。
(あれ?草が消えちゃった。)
(吸収は・・・されてないっぽいね。それで)
今度は取り出すイメージ。同じく感覚を研ぎ澄ませて中から草が吐き出されるイメージをする。
すると体の中からニョキニョキと草が。
(・・・なんか変な感じだね。)
体の表面から突然草が生える。しかもちょっとむず痒い。
というか表面から出てくるなら入れるときもそのまま入れられるのかな?
そう思って次は体にしまいこむイメージをしつつ吐き出した草を拾い上げて体に押し込む。
(あ、入った。)
(結構あっさりだね。どんなことするのか見てたけどイメージだけで魔力(?)って使えるものなの?)
(たぶん。でも結構集中しないとできないから、今のところは落ち着いてできるときだけだね。)
どこに入っているのかはわからないけどこれで食糧を保管できるようになったはず。感覚的にはまだまだ入りそうだったから結構な量のものが入れられるんじゃないかな。
ちなみに美景が「見てた」と言ったけど、正確には認識していたと言った方が正しい。目で見ていたわけじゃなく、私が考えていること、やろうとしていることを思念を伝って認識していたというわけ。
でもなんでもかんでもわかるわけではなく、あくまで表面的なものがわかるだけなので、意識していない限りは心の中を丸裸にされるわけではない。
(のーちゃんは結構何考えてるか聞こえるよ。)
私は何もやましいこと考えていないので、常にオープンにしているだけなのだ!
(のーちゃん私のことめちゃくちゃ好きなんだね!)
(そんなこと思って・・・なくもないよ?)
つい疑問系で言ってしまった。
いや確かに好きだけど、それは友情的なアレであって。って誰に弁解してるんだ?!
(のーちゃんってそういうところあるよね。誰もいないのにナレーションみたいに説明してたり。これが前に言ってた中二病ってやつなの?)
(違うわ!誰が中二病だ!)
ふう。で、なんの話だったか。
あ、そうそう。これでいっぱい食糧を持ち運べるから遠出できる。
ということはそろそろこの浜辺から旅立つときがきたってことかな?
(とりあえず食糧かき集めて旅に出てみる?)
(そうだね〜。でももうちょっと訓練しといた方がいいんじゃないかな?)
(大丈夫だ!問題)
(あるんじゃないかな?)
(で、ですよねー)
ということで準備万端で旅に出るために2日かけて投擲と車移動法を訓練した。美景のアドバイスのおかげでいろいろ改善されていき、結構実用的になったと思う。
美景教官が怖かったです。
(なんか言った?)
(なんでもありません閣下!)
(ほんとにのーちゃんてわかりやすいよね。)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます