S.エピローグ:タッグ試験

3:名前:名無しの落ちこぼれ

大ニュース大ニュース!!!


4:名前:名無しの落ちこぼれ

大ニュース大ニュース!!!


5:名前:名無しの落ちこぼれ

大ニュース大ニュース!!!


6:名前:名無しの落ちこぼれ


7:名前:名無しの落ちこぼれ

大杉


8:名前:名無しの落ちこぼれ

気持ちはわかるぜよ


9:名前:名無しの落ちこぼれ

そりゃまあ


10:名前:名無しの落ちこぼれ

決闘場ぶっ壊すのは草wwwwwwwWWW


11:名前:名無しの落ちこぼれ

前代未聞wwwwww


12:名前:名無しの落ちこぼれ

何か二十年ぶり? ぐらいらしい


13:名前:名無しの落ちこぼれ

ヤバスギょ


14:名前:名無しの落ちこぼれ

試験期間が延期なのも凄いわ


15:名前:名無しの落ちこぼれ

中で一体何があったんだ??????


16:名前:名無しの落ちこぼれ

マジで隕石でも落ちたのかってぐらい……


17:名前:名無しの落ちこぼれ

想像より十倍ぐらいデカい穴だった




「っ!?」

「あ、起きたんだね炎」

「ああ……おはよ」


気付けばもう夜だった。

またオレはずっと寝ていたらしい。

これも恒例行事だな、決闘場のおかげで傷一つ無いんだけど。


「オレ達、どうなったんだ?」


恐る恐る聞いてみる。

碧さんが決闘場に大穴を開けていたのは見えた。


そこから記憶が無い。


「どうなったと思う~?」

「良い結果なのは確かだな」

「んふふ」


実に分かりやすい。

でも、良い結果ってなんだ?


「まさかあの後輝が二人を」

「ってんな訳ないだろぉー!」

「ええ」


両腕を上げてずっこけるポーズの彼女。

こっちは大真面目だっていうのに。


「引き分けだよ、ひ、き、わ、け」


「え!? 何で」

「そりゃ決闘場壊れたし」

「ああ……」


納得した。

確かにアレは駄目だな。


「過去で二回目らしいよ、アレやったの」

「過去一回あったんだ」

「うん。その時とほぼ一緒だって」

「……」


何か聞いた事あるぞ、それ。

確か――


「――で!!」

「うわっ!」


バンと手を付く輝。

今日テンション高いな!


「あ、ごめん……」

「謝るぐらいならするなよ、んで何?」


「ボク達、今のところ負け無し!」

「確かに」


「……もっと喜ぼうよ! もうC組は確定だよ!?」

「何か、実感沸かないんだ」


あの時。

彼とぶつかり合って、この異能について考えさせられた。


オレは間違いなく自分の異能が好きで。

憧れの碧さんは、自身の異能が嫌いだった。


それでもオレは彼に憧れてる。

近付きたいと思う度、どこか力が沸いてくる――きっとこれは間違っている事じゃない。


「炎……?」

「輝」

「な、なに?」

「ちょっと翼出してくれない」

「はあ? 良いけど……『シックスフィンガー』」


途端に、オレの前にバサッと片翼が広がる。

不思議な異能だった。

まるで時が戻った様に身体は治るし、体力に気力も戻っていく。おまけに攻撃も吸収。

そして何より――


「綺麗なんだよな」

「へ……?」

「ずっと言いたかったんだけど。オレ、輝の異能好きだよ。何度も助けてもらったし」

「……あ、あ……」


顔を真っ赤にする彼女。

大袈裟だな、初めてコレを見た観客達も静まりかえって眺めてたのに。


「ごめんな、不愉快だった?」

「……!」

「嬉しい?」

「……うん……」


赤いままで横に首を振る輝。

その次は縦に。


良かった。


「ほ、炎」

「?」

「ボクは君の異能も――……も大好きだよ」

「何て?」

「もー!! 炎のばか!」


最後だけ、口を小さくして言った彼女。

聞き直したら怒られた。理不尽だ。

翼がピンっとなっている。


「……それじゃ、一週間頑張ろうね。炎」

「もちろん」


試験前までまた一週間。

とにかく強くなるために、彼の背中に追いつくために。伸びた期間はそのために使おう。


もしかしたら、彼はその為に決闘場を……ってのは流石に美化し過ぎかな。


「よろしくな、輝」

「うん!」


とにもかくにも。

オレ達はまた、再スタートだ!


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