日常の終わり

「――――――!!何故か!!隕石があろうことか!!宇宙へと帰って行きました!!」


「原因は不明!!今夜7時から日本魔法協会が会見を開くとの事!!」


「隕石は一体、どうしてしまったのでありましょうか!!」




さっきの電気店を通りすぎれば、そんな事をレポーターがすごい顔で叫んでいた。


まあじきに収まるだろう――多分俺が打ち返したなんて事は到底分からないはずだ。


こんな滅茶苦茶な世界だしな、隕石が跳ね返るなんてよくある事……それは言い過ぎか。


「……ん?」


……いや。

分かる人物がいる。

『相野町』。よりにもよって、隕石は俺の住んでいる町に落ちてきた。





なら――きっと俺に目星を……



『プルルルル!!プルルルル!!』



嫌な予感とは存外当たってしまうモノだ。

俺はまだ痛む腕で、携帯の着信相手を見る。



あおい優理ゆうり



……俺の、妹からだった。




―――――――


―――――



「……あ!!やっと出た!!」



俺が携帯を取ったのは、家に着いてからだ。


……勿論疲れたのもあるが……願わくば、このまま勘違いか何かで切ってくれないかなと。


だがまあ……そんな事は無く、家に着くまでひたすら俺の電話は鳴り続けた。


「お兄ちゃん!さっきの!!」


「よう久しぶり優理、元気か?」


「……元気だけど。さっきのは?」


「さっきのって?」


「……」



沈黙。


どうやら、もうバレバレらしい。


「あーうん、気持ちよかったよ。ホームランってあんな感じ――」


「『気持ちよかった』って何!?もしかしたら潰されてたかもしれないんだよ!町ごと!!」


本気で心配していそうな優理の声を聴くと、少し申し訳ない気持ちになる。


まあでも――今回は大丈夫だと思ったから俺もやった、無茶はあまりしない主義だからな。



「……あれは長年の勘でいけると思ったんだ。実際に跳ね返せたし、俺達の故郷も守れたしいいだろ?」


「長年ってまだ私より一年しか生きてないでしょ……もう、本当にお兄ちゃんはトラブル体質だね」



……あまり実感は無いが。



「まあまあ大丈夫だから。優理も学校あるだろ?それじゃ――」


「――じゃない!!あのね、実はお母さんから言われてたんだよ。もし次、お兄ちゃんが何かやらかしたら――」



俺が電話を切りかけたところで、『勘』が働く。


さっきの悪い予感以上の――さらに悪い予感が。



「私が住んでる場所――『魔法都市』に移り住ませろって!」



……は?



「……お兄ちゃん?」


「お兄ちゃーん」


「聞こえてるー?」



俺は放心しながら、用意した布団に転がる。



「……おやすみ」


「お兄ちゃん!?」



どうか――悪い夢であってくれ……

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