第3話日常が狂い出す?

翌日……


ピピッピピッピピッ……


目が覚めた。


目を擦り、布団からのっそりと起き上がる。


「あ〜、眠い」


理由はもちろん昨日の事件。


あれ、夢だったりしないかな~


しかし、昨日の光景は今も鮮明に思い出せてしまう。


腰を伸ばして体を起こす。


着替えてから 階段を降りて、リビングへ……


俺の家は2階建ての4LDKで、親は両親とも海外で働いてる。だから、今家に居るのは妹と俺だけだ。


ちなみに俺の部屋は2階の北側にある。


今日は土曜日なので妹が朝食を作っている。


俺の当番は月・水・金・日なのだが、よく寝坊するので「朝食抜きはやだー!!」と言われてしまい結局毎日妹が作っている。


「おはよう」


「あ、おはよう」


妹は中3でとても家庭的なのでいいお嫁さんになると思う。でも、しっかりしてるのに勉強できない。


俺がイスに座ると朝食が出てきた。


さすがだな。どんな時も座れば出てくる!!


うん、いい匂い。


今日は、目玉焼き、ソーセージ、ごはん、味噌汁、この4品。いつもはパンだから土曜はごはんと決めているらしい。


「「いただきます」」


両親とも礼儀には人1倍厳しかったので、一人で飯を食う時もいただきます、ごちそうさまは必ず言っている。


これが習慣なので、言わないと気持ち悪いんだわ。


わかる?


 まあ、それはそれとして……


「うん、うまい」


「当たり前でしょっ」


そう言って妹――華凛は少しふくれた仕草をする。


こんな何気ない会話をしてからテレビをつける。


ポチッ


……続いてニュースの時間です。昨晩午後3時頃埼玉県さいたま市に隕石が落ちた模様です。


キャスターが言い終えるとVTRが始まる。


やっぱり昨日のことは大事になっている。


「あれ? これうちの近くじゃん」


華凛が一言。


「てかお前もう食い終わったのかよ」


「え? うん。お兄ちゃんが遅いだけでしょ?」


俺まだ3分の1しか食ってねーぞ? 俺結構食うの早い方なんだが。


妹恐るべし。


まあ、さすがってかんじだわ。


数分たって俺も食べ終わった。


俺は今日も学校なので支度をして……


「行ってきます」


「いってら〜」


家を出てチャリを出してこぎだす。


さすがに今日は外が騒がしいな。


そして3つ目の角を曲がる……


あれ?


おーっと、通行止めでした〜。


そりゃそうか。


思い出したくない記憶が脳裏をよぎるが振り払って、違う道を通って駅に向かう。


学校は最寄り駅から4駅行ったところにある。


いつもその駅から商店街を通って学校へ行く。


商店街には俺と同じ制服を着た生徒が何人か歩いていた。


ジー


? ……今視線を感じた様な気がする。


気のせいだといいなあ……


立ち止まって周りを見渡す。


あれは店と店の間の薄暗いところに誰かいる?


あの輪郭、ま、まさか……


目をこらす。あ、あれは……


「げ!?」


美少女が体育座りでこっちを見ている。


後ろに槍が見えるのは気のせいかな?


気のせいだよね? ね?


少女がニタリと微笑む。


ゾクッ


まだ暑くないのに汗が頬を伝る。


冷や汗ってこんなにかくものなんすね……


見て見ぬ振りして逃げるか? と思ったがすでに時遅し。首元に槍の冷たさが伝わってきた。


あ~~~~~~~詰んだ。


もう、やんなっちゃう。

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