第3話

BとKはベランダで空を眺める。

異様に大きな雲が白と黒を連れて後方からやってくる。

広大な空の大きさは計り知れない。

海も遠くの山も雲も太陽も星もすべてが遠くにある。

「星見てる」Kは言った。

「は?」

「星を見てる。いつも」

「で?」

「ほんとは近くでいいのに」

夜の暗がりの中に巨大な光が見えた。

夢で見たことがあるような懐かしい光だ。

「なにあれ?」

「光だ」

無数の星から光が大地に向かって降り注ぐ。

音がする。

雨粒みたいに。ぱらぱらと落ちていく。

「どこまで行ったって意味なんてないのかな?」

Kは言う。

「行ってみないと」

「きっと僕らは何かをまだ探している。意味があるかないかなんてその人の人生次第さ」

「だからあなたは純真なの」

「どこまで行ったって代り映えのしない日々だろうと、自分が意味を見いだせればそれでいい」

 星が破裂する。空気が張り詰める音がした。

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