第一試合 ヘラジカ対かばん ~終わり~

 雪煙が舞っている。ヘラジカがかばんに向かって走ってきている。

 それに対してかばんは屈んで待ち構える。

 お互いの距離が縮まり、あと少しで接触すると思われたときだった。

 かばんは雪を舞い上げた。

 それにより、ヘラジカはかばんを見失う。それでもヘラジカはかばんに向かって一直線に走る。

 かばんはヘラジカの視界を奪い懐に潜り込んで胸の風船を割る。そして図書館の本に載っていた巴投げでヘラジカを空高く投げ飛ばした。投げる際背中をつけたため、かばんの背中の風船が潰れた。

 かばんは素早く起き上がるとヘラジカの背後に飛んだ。

 ヘラジカは迎撃するため体勢を立て直し背後のかばんに体を向ける。


 パァーン


 ヘラジカの背中の風船が割れた。

 かばんはヘラジカが振り向くと予想し、雪玉を投げていた。

 ヘラジカは驚きかばんの攻撃に反応が一瞬遅れるが、風船を割られることを防いだ。そして反撃するため武器を振るったが避けられた。

 ヘラジカは更に攻撃するために二撃目を繰り出す。


 ヘラジカは油断していたのかもしれない。


 ヘラジカは野生解放をしていなかった。


 ヘラジカの攻撃をかばんは野生解放し、更にかばんの武器であるカバンを出現させて盾として使い攻撃を受け止めた。

 かばんはヘラジカに武器を持っていない左手で防御される前に左肩の風船を割った。そのまま左肩を掴み、武器を受け止めている左手で右肩の風船を割り、肩を掴んだ。

 ヘラジカの風船は残り1つ。頭にある風船だけだ。

 その風船をかばんは


「ふっ」


 口の中の氷を噴き出し風船を割った。

 かばんはヘラジカが突進してきているときに雪を固めて口に含んでいた。


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