第14話 計画

ララが来てくれた事で、夏休みはいつも以上にあっという間に過ぎた。

 明日からは、いよいよ新学期でララが来てくれるのも今日で終わりだ。

「隆太、わたくしたち友達です。遠慮して友達と言っていいのかなんて言わないでですよ」

 ここまで言ってくれてるのに遠慮や躊躇は、いくら僕だって出来ない。

「うん……友達」

「大丈夫よ。高校は日本で通うです。また長い休みになったら家政婦しに くるですよ」

「うん、うん」

 ララにはもう会話のタイミングを計る事なんてしなくてもいい。

 けれど、嬉し過ぎて“うん”以外とっさに言えなかった。 

「あっ! 夏休み終わる前に隆太に言おう思ってた事あるです」

 何? こういう言い方する時ってもしかして……告白というやつ?

「み、水野さんだったですか? 前にスーパーの前で会った同級生の方」

 なんだ、告白じゃないのか。まぁ僕もそこまで空気読めないわけじゃないけれど、少しは期待しちゃったじゃないか(恥)

「水野がどうかした?」

 まさか、水野に告白? 水野がタイプ? いや分かってる。告白じゃない、うんうん。

「水野さん、きっと隆太ともう友達だと思ってると思うです」

「え? 水野が… …」

「それなので、もう一押しというところで明日、何か手作りお菓子持っていってあげたらどうでしょう?」

「手作りお菓子? 僕が作るの?」

「はい。ママさん手紙に書いてたです。隆太、色々なお菓子作るの上手だって」

 そりゃあ、ずっと母さんと一緒に色々作っていたから。

「女の子ならまだしも、男の僕が作っていったらおかしくないかな?」

「食べ物のプレゼント、仲良くなるのにとてもいいねです。やってみましょう、ね?」

 やってみるか。何もやらないで、水野から来てくれるのばかり待つのでは無く、どんなやり方でも僕からも動いてみよう。

 何だかララのおかげで、とても勇気が出てた。

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