第13話 家政婦計画

 こういう時、騙されてたんだとか思うものなのだろうか?

 ララは僕を知っていたのに、僕は知らなかった。

 よくテレビドラマとかであるよね、こういう感じの。

 けれど僕は騙されたとはまったく思わない。

 何だか変な感じだ。恥ずかしいというか嬉しいというか。

 ずっと、ずっと母さんも、ララも僕の事を心配して僕の事を考えてくれていたんだというのが泣きたくなるような嬉しさで胸を一杯にした。



 ララが母さんと知り合いだったというのを聞いてからも、ララは変わらず家政婦として我が家に通ってきてくれた。


「そういえばさ、どうやって父さんが家政婦さんを頼むように仕向けたの?しかもララが買い取った白猫家政婦紹介所をちゃんと使ってくれるようにさ」

ララがこの家に来る事が計画されたいた事だと知って僕の中には、こういう疑問が沸いた。


「まず、白猫家政婦紹介所の広告をお父様の目に触れるように新聞の広告に出したりチラシを入れたりしてましたです。そして、花梨ちゃんの保育所が夏休みになるように操作したです」

 何か、やっぱり大掛かりだなぁ。


「花梨の保育所を夏休みにってどういう事? 夏休みはどこも同じぐらいの時期じゃないの?」

「保育所は、お仕事してるお父さん、お母さんが預けてる事ほとんどです。それなので、長い夏休みが無い保育所も多くあるです」

「そうなんだ、けれど保育園を休みにしちゃったら僕の家だけじゃなくて他の園児の家も困っちゃうんじゃ無いの?」

「はい、なので保育園がお休みって事はお父様だけに伝えるように操作したです。保育園にも協力してもらったです」

「やっぱり大掛かりだな」

「はいです。花梨ちゃんの保育所が夏休みになれば、お父様は隆太さんの負担を考えて家政婦を依頼する可能性が高くなると考えたです」

母さんとララの計画。父さんの僕への気遣い。今回僕は自分が思っているよりも、人に色々気を使ったり考えてもらってるんだなと、とても思った。

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