第7話 友達って難しい

「ララは友達ってどうやって作っているの?」


「どうやって……特に意識してないよです」

「どうなったら、相手のことを友達だと思って良いものなんだろうか」

これが僕にとってはとても難解なのだ。


「うーん、数値化は出来ないけど雰囲気というか、ある程度仲良く話したらもう友達だと思うものだよです」

「そのある程度というのが、どのぐらいなのかが難しいんだよね」


 図々しく接して明らかに迷惑がられたり

「お前なんか友達じゃねぇよ」

と言われるのが怖いのだ。


そういう経験があるわけじゃない。

ドラマとかマンガとかで見かけた事があるだけだが、一歩間違ったら言われてもおかしくないんじゃないかと気にしてしまうのだ。


「明日、香港行かないです?」

はい?今何かまたとんでもない事言わなかったかな。

僕の耳がおかしくなければ『香港』と。

それも何故こんなタイミングで言うのだろうか。

「香港って言った?本屋とか学校とかじゃなく」

「そうだよです。香港にわたくしの友達いるよです。友達ってこういうものだよですというのを隆太に見せるのにいいかな思ったです」

「いやだからって、いきなり明日香港って」

「この辺りでは一番近いところに住んでる友達かなと思ったよですプライベートジェットで行けばすぐだよです」


プライベートジェットって、いかにものお金持ちアイテムじゃないか。

でもまぁ、ララの友達がどんな子なのか気になるな。やっぱりお金持ちなのかな。

プライベートジェットで行くということは旅費も掛からないだろうし、それならば行ってみようかな。


とトンデモな提案に対して、僕は好奇心の方がまさっていた。

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