第24話 事象:ITにおける狐娘の勧誘について
「大丈夫か? エリスちゃん!」
俺がエリスちゃんにサムズアップすると、エリスちゃんは棒立ちのまま、何事か呟いていた。
「……かむ、い?」
「ん? どうしたエリスちゃん。まさか、どっか痛いのか!? 今すぐ俺が触診して傷を治そう! うん! 抱きしめるね!」
「……ぇっ、怪我なんて……してない、あふっ」
よかった。本当によかった。
なんか無理やり理由付けて抱きしめちゃったけど、ああ。
やっぱり。
かわいい! もふもふだっ!!
だめだっ、欲を抑えきれネェ!
おっさん達が起きるとやばいから移動しようかっ!
「もふもふ! もふもふ!!」
「ひゃ、やっ、それ、だめぇっ……! ひゃぅぅぅっ! 鎧、外しちゃ……んっ」
いつの間にか俺はエリスちゃんの軽装鎧を外すことに成功していた。
生肌が露わになる。
そんなことをしながら、ぐったりとしたエリスちゃんをお姫様抱っこして、おっさん達の居る路地から離れる。
――『神威』スリープ状態より復帰します――
――蓄積エネルギー状態確認。結果、エリス・充填中、クラウディア・8%――
――エリス・状態確認中――
――確認・封印解除します――
――解除までの演算完了。解除開始――
頭になんか変なのが流れるが、今の俺にはどうでもいい。
今、俺は――冒険者ギルドの宿屋へ戻ってきていた。
「ふひ、ふひひ」
「ぅ……」
ベッドに横たわらせ、俺はエリスちゃんの鎧をテーブルの上に置いた。
いまやエリスちゃんは下着姿で、悶えるだけ。
「Hooooooo!!」
ハットリばりの奇声を上げながら、俺は欲を解放する。
はっ、あははははははははは!!
エリスちゃんエリスちゃんエリスちゃん!!
かわいいよかわいい!!
「ぁ……ひっ……」
その白い柔肌は想像以上のさわり心地だ。
まるで天使の羽を撫でているように手が昇天しそうなほど気持ちがいい。
そして、胸。
彼女は慎ましい胸をしていて、ボリュームは正直、あまりない。
だが、それがいい。
上下の下着は大人っぽい黒だ。しかもエロい奴。かわいい顔とのギャップで色気が増している!!
その上のえろてぃっくな下着を外さないまま、肌を傷つけないようそっと隙間を作り、手を突っ込んだ。
こりこりとしたものが手に当たる。
「んあぁぁぁぁあっ!!」
触れた瞬間、我慢できなくなったのか嬌声を上げて背中を浮き上がらせるエリスちゃん。
まだまだ足りない。
ふにふにのその触感がたまらず、俺はエリスちゃんの首筋に唇を落す。
「ぁぅっ! こ、れいじょ……ゆる、して――ぁぁぁぁぁぁあああっっ!」
吸い付くような肌に俺の印が残るのがたまらない。
征服感、最高っす。
――封印解除完了――
――エネルギー、エリス・90%、クラウディア・8%――
――『神威』、スリープ状態へ移行――
我慢、できん。
し、下の方も触って、いい、よね?
良いよね?
そうして俺はエリスたんのパンツの中に指を滑り込ませ――。
おい……。ちょっとまて。
俺、何やってんだ?
眼下に広がるは、やっちまった光景。
ぐったりする下着姿の顔が真っ赤のエリスちゃん。かわいい。
なんか首筋に虫刺されのような跡がいくつかあるけど、あれ――キスマークってやつ? やばくね? あれ、俺やったの?
えと、意識、なかった……って、言い訳、できねぇよなぁ……。
―――――
エリスちゃんが気を失って五分後。
彼女はむくりと体を起こした。
俺とばっちり目が合う。
ちなみにエリスちゃんは服を着てる。つーかもとにもどした。
軽装鎧の装着の仕方なんて煩悩がマッハで加速してやばかった。なんで股にベルト通してんだよ。俺を殺す気か。そしてエリスたんの下着大人っぽくて色っぽいんだもん。パンツ脱がしてつっこみた――いや、クラウさんに殺されちまう。
ん? そういえばさっきエネルギー溜まってたよね。
やっぱり、エリスちゃん――処女なのか。
嬉しい。
「……」
そんなことよりも、だ。
エリスちゃんが目を丸くして俺を見てる。
ああ、そんな見つめないでくれ。惚れちまうだろ。
ちがうか。
あれは確実に状況を説明しろっていう眼だ。
「あ、あの、ですね。こここ、これは――」
「……ここ……どこ?」
「へ? あ、冒険者ギルドの宿屋の俺の部屋……です」
「あなた、誰?」
「えと、貴女が昼にメイド喫茶で働いてた時に客として行きました。アレンです。怪しい者じゃないです。決して」
「……そういえば……。私に、何をしたの?」
やっぱり来たか。
この質問に俺は一体どう答えればいいんだ。
貴女を攫って来て、服脱がして思いっきり体を堪能しましたって?
ンな事言えるかよ。
「……冒険者に絡まれてたところを保護して、俺の部屋に連れてきました」
「うそ……。本当は?」
ですよね。
もう冷や汗だらっだらだ。
でもおかしいな。昼に合った時とエリスちゃん雰囲気違くないか?
気のせいか?
「本当は――部屋に連れ込んでもふもふしました」
「……もふもふ? もふ、もふ……っっっ///」
あっ、思い出したみたい。
顔を両手で覆ってるよ。
耳まで紅いよ。うん。俺死んだ方が良いかもな。
「わ、私……家にアリアを置いてきちゃってるから、帰るね……。今日の事は、なかった事に……」
「え、いいの? 俺、結構エリスちゃんに酷いことを……」
「ううん……き、気持ちよかったから、許す……それじゃあ、また」
言いつつ、エリスちゃんはベッドから起きてそそくさと扉の前まで行った。
というか、エリスちゃん昼はメイド喫茶で、夜は冒険者してんだなぁ。
今度一緒に冒険できねぇかな。
さっきみたいなおっさん達と一緒とか、絶対やばいでしょ。エリスちゃん。
そう思ったら、呼び止めてた。
「エリスちゃん!」
「な、なに……?」
相手の事情とかも知らないといけないけど、このままじゃあエリスちゃんやばいことにしか巻き込まれない。
それに、こういうのは男から誘わんとダメなんだ。
いや、記憶があやふやな今がチャンス、とか思ってないよ? ホントだぞ?
「俺と一緒に、冒険者パーティー、組まないか?」
「えっ……」
ハトが豆鉄砲くらったような顔してる。
「だから、今夜みたいなパーティーと一緒だと、エリスちゃん大変だろ? 結局報酬もらい損ねてたし」
「……でも、私、昼はメイド喫茶でバイトしてるから……。夜しか、冒険者できない。それに、アリアにも聞かないと……」
「ああっ、返事は今すぐじゃなくていいからっ。俺の方は夜でも全然大丈夫だから、それだけ!」
失敗したなぁ。
いきなりパーティーに誘うのは失敗だったか?
いや……エリスちゃんを危険にさらすよりはよっぽどマシだっ。
「うん……アリアに、聞いてみる。守ってくれて、ありがと。襲われもしたけど……最後までしなかった、し……また、ね。ご主人様」
その言葉を最後に、エリスちゃんは俺の部屋を出た。
そして俺は見てしまった。
エリスちゃんが出て行ったと同時に、なだれ込むように俺の部屋に押しかけて来たマリーさんとクラウさんとハットリを。
「ちょっと! あの娘だれよっ! アレン!!」
「あの娘ばっかり可愛がって……! ズルいです!!」
「アレンはやっぱりやり手でース。ヤ○チンでース。尊敬しまース!」
ははは。
なんかデジャヴ。
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