第2話 

放課後、私は仲の良い友人、奈菜と下校していた。


「松木は今日も塾なの?」


奈菜はつまらなそうに言った。


「うん~、ごめんね?」


奈菜とは入学式の日に出席番号が前後で話し始めたら…というやつ。

ノリも良いし、音楽の趣味も合うし、一緒にいて楽な良い子だ。


「こんど塾休みの時さ、カラオケ行こうよ!」

「おっ、いいね~!」


そんな他愛もない話をしていると片道1時間なんてあっという間だ。


「じゃあね!松木!またあした~」

「ばいば~い」


私は塾の最寄り駅におりた。奈菜はその2つ先の駅に自宅がある。

少し暗くなり始めた空をぼんやり眺めながら塾へ向かう。


教室の一番窓際の席が私の席だ。

席に着いてスマートフォンを取り出しTwitterを開く。同級生の楽しそうな自撮りやお笑い芸人のコントの動画などでタイムラインが埋め尽くされている。そんなこんなで暇潰しをしていると授業が始まるベルが鳴る。


現代文の授業だ。

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