だめなのしたい

ゆめのなか

第1話 せんせい

先生は28歳。塾講師だ。

髪の毛は黒くて短め。

見た感じ柔らかい毛質。

担当する教科は現代文。

背はすごく高いわけでもなく、180センチない感じ。

左手の薬指には綺麗な銀色のお洒落な指輪をしている。

私が知っているのはこのくらい。趣味も、好きな色も、どの辺に住んでいるのかもわからない。


この塾に通い始めて2年が経つ。そこそこのレベルの大学を狙っていることを両親に打ち明けると早々に塾に行くことを進めてきた。

私は自力で頑張ると言ったが、週に何回かでも通っていれば違うだろうということで仕方なく行っていた。


家から塾までは、まあまあの距離がある為、電車を利用する。

一駅乗って、そこから10分くらい歩いたところにある。


4月、この冬受験を控えている私は、週に3回だった塾をほぼ毎日入れていた。

学校が終わって16時、そこから自転車に乗って駅まで移動して電車と徒歩で塾に向かう。学校からは片道1時間かからないくらい。

普通のいまどきの女の子だったら毎日学校で勉強してそこから塾に行く。なんて気持ち悪いことしたくないと思う。

でも、その塾に気になっている人がいたら…?

かっこいい人がいたら…?

私が片道1時間かけて毎日塾に行く理由は二つ。


狙っている大学に行くため

先生に会うため


だった。





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