ラッキーアイテム
草々緋美
ボスの習性
「ねぇ、ねぇ。寒いから帰ろうよー。」
「あなたが早く直してっていうからでしょっ!!」
「ちがうよー、カピバラも早く温泉に戻りたいって言ってたんだよー。」
湯元の山の上までキタキツネと一緒に登ることにしたのが運のつき。
山の天候は変わりやすいから気をつけなさいと博士達に教えてもらっていたので、ラッキービーストが雪や雨の知らせを教えてくれるときはなるべく山に登らないようにしていた。
でも今はどういうわけかキタキツネが早く山に登って直して、とうるさかった。
住んでいる温泉が暗いままになり、お湯も流れてこなくなったのがこの前の朝。
いつもなら何回か夜は我慢できていたのだけど、今だけはいつもと違っていた。
「なんか変な感じがする。早く直した方がいい。」と言い出して、言うことを効かない。こうなってしまえば出かけるしかなかったのだ。
朝も準備の間、キタキツネに急かされた。
「ギンギツネ、早く早く。」
「これの準備が終わったら行くから待ちなさい。」
お湯を入れることができるレアアイテムの2つ目を沈めているところだった。
これにお湯を入れておくと温かい状態が続くので、例え急な雪に出会っても寒くなりすぎることがないのである。
お湯がぴったりになると泡がでてこないので、中で栓をして取り出す。
赤くなったレアアイテムは少しばかり重い。
その2つを身体にひっつけて準備完了。
今日は3つもいるラッキービースト。
「早く早く。」既に外に出てるキタキツネ。慌てて追いかける。
「山に行ってくるわ。」
そう声をかけたけど、夜から来ているボス達は歩き回ってるがこちらには相変わらず返事をしてくれなかった。
雪が強かったけど、偶然にもかまくらという宿屋を作り出したサーバルとかばんのお陰でいつもよりも簡単にやり過ごすことができて山まで行くことができた。
直して温泉に戻ってきた頃には疲れが出てきた。途中たくさんのセルリアンに出会ったせいもある。
戻ってきたが、朝いたラッキービーストはいなくなっていた。隠れているわけではなく、どこかに行ってしまったのだろう。
じゃぱりまんが増えていた。
変わった生き物である。
毛が長いギンギツネであるけども、私だって寒い中あるいたので早く温泉に入って温まりたい。
でもキタキツネは一目散にゲームのところへ走っていった。
一緒にいて大変だけど飽きない子ね、まったく。しかりに行かなくちゃ。
そう思って移動した。
ラッキーアイテム 草々緋美 @Kusa2_hibi
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