「 桜 」

朝倉 ケンイチ

「 桜 」

.




ささやかな 


春の宴に 誘われて



初々しき 心の 衣を


脱ぎ 捨てれば



夢は いづこへと 


流れ 着く




逡巡の 


桜吹雪 舞う 道の上



愛しき 君の その 頬に



一欠けらの 花びら


いざ 舞い散らん




誰もが 乱舞の 酔いを


隠し 持ち



夢の 続きを 探し 行く



春風 運ぶ 桜ケ丘に


幼き 心は 夢の 途中



桜は 縦横無尽に 


民の 心を もてあそび



危うく 歩き


そして 散り 行く




初春の 恋ごとく


心は 切なく 愛しさを 覚え


舞踊の 楽に 幕を ひく




桜よ 




お前の 麗に 奏でる


歌も 霞みに 包まれ



この 思いも 届かず


散り行く さだめ




桜よ




太古より 人々を


義勇 してきた その 思惑に 


今宵 我を 忘れる



まるで 狂舞する


愛しき 恋人を


見るかの ごとく・・・ 


  




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「 桜 」 朝倉 ケンイチ @atomickenichi87

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ