たまご
ノーバディ
第1話 早くしろ!
たまごかけごはん。
炊きたて熱々のご飯に玉子を落とし、醤油をかけてかき混ぜるだけのシンプルな料理。
「あなたが初めて作った料理は何ですか」とアンケートをとれば日本人の8割は『たまごかけごはん』と答えるのではないだろうか?
TKG、それは日本人のソウルフードと言っても言い過ぎではないだろう。
しかし……。
「先輩!凄い玉子が手に入ったっす!俺料理しますよ。何がいいっすか?」
「凄い玉子だと?じゃあTKG!」
「…え?」
「TKG、たまごかけごはんだよ」
それくらいは知っている。
「いや、それは…、そだ、目玉焼きにしませんか?」
「い~や、TKGだ。田舎から米が届いたばかりなんだ。魚沼産のコシヒカリだぞ。炊きたての白米の上に黄身だけを落として麺つゆをかけて食う!これこそ至高の料理だ」
「へ~、先輩は黄身だけ派なんすね。俺はそのままかけるっす。…‥じゃなくて、かに玉なんかどうっすか?おれカニ缶買って来るっすよ」
「ダメだ!TKGだ。かに玉なんてコシヒカリに失礼だろ!」
……何が失礼なのかわからないんすけど。
「じゃあ親子丼はどうっすか?甘いだし汁に鶏肉と長ネギが調和して、それを優しく包み込む半熟の玉子。サイコーっすよ」
「い〜やTKGだ!」
ヤバい。。これは言い出したら聞かないパターンだ。
「先輩・・・」
「うるさい、早くしろ!」
「どうする?」
俺は先輩に隠していたダチョウの卵に話しかけてみた。
たまご ノーバディ @bamboo_4
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます