第11話 鎧の下から見えるもの
思考回路から閉め出されている訳ではないのだが、頭を垂れおじぎをしながらも左手は腰の刀の鯉口を切っているように、のっぴきならぬ相手に対しては反射的に身構えるようになった。
これは禅問答でもなく自然な生存本能の為せる技なのだろう。最近富みに涙もろくなったせいもあり、ポケットの膨らみとか、隠している掌とか他人の立ち居振る舞い一挙手一投足に神経を使っていないとすぐに目が霞んでくるのだ。
困ったものだが仕方が無い。殊更目を凝らしていればこそ見えた瞬間に次の手を打つことができるのだから。各々方決して油断召さるなよ。
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