第3話 暑い時に限って、そう言えば雪の降った朝ってさ
曇天の空から止めども無く雪片が落ちてくる。その昔、夏の民宿で知り合ったライダーが言っていた言葉を思い出す。雪とか雨が降ってくると前を向いても視界がぼやけるのでセンターラインとか道に書いてあるラインを観ながら走るんだ。
風が無ければ無音の世界。降り積もる音はしない。でも耳を澄ますと無音の音が聞こえてくるような気がー。シーンという擬態語そのもののようにー。
それから2年経った雪の降る日。吹雪いてる赤城山麓雪中行軍を思い出した。確か苗場のスキーロッジでのライブ帰りだったと思う。前を向いても後ろを向いても走っている車は自分たちだけで、道の街灯もなく、このまま異次元空間へ彷徨い込んでしまうのじゃないかと本気で不安だった。リアルな神隠しはこんな時に起こるのではないでしょうか。
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