第2話 下から見上げる行為
花魁でなくとも秋波を送る時には流し目が一番効果的。目を伏せ睫毛をふるふるとさせた後、徐に視線を足下から目の下端に合わせながら相手の方へ動かし、目尻手前で相手の顔を見つめ、止めにしなを作られると、弱い。誠に弱い。ただでさえ長い鼻の下が伸びきって上唇が顎をすっぽり覆ってしまいそうになる。
逆に伏せた視線を目の下端に合わせて動かさず、直線的に相手の顔を睨み付けてしまうとこれは挑戦的な眼差しと取られる。むしろ最初から見上げていた方が尊敬の態度と見まごうかも知れない。非常に微妙な差異の所作だが心証は驚く程違う。いろいろなケースに遭遇し、双方の立場を経験するうちに分かってくる機知を把握し実践できることが重要だったりするのだ。
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