第10話暗殺稼業


民間ハローワークには裏の仕事も斡旋している。


ボディーガードや逆に暗殺稼業だったり。


そこで一人の伝説的な有名人がいる。


仮名工藤巧


彼にかかればボディーガードも暗殺稼業も100%成功する。


しかし、最近はメンタルをやられて引きこもって出て来ない。


そこで新人神山斗真が家庭訪問を命令された。


斗真は、巧が好きな和菓子を持ってワンルームのアパートを訪ねた。


扉は鍵がかかっていないし。


部屋中に何かが腐ったような臭いがする。


巧は、部屋の端で寝袋に入って眠っていた。



巧は、痩せほそっていた。


「工藤さん、陽明堂のお菓子です。」


巧は、鼻が効くのかクンクンし始めて目を冷まし寝袋から出て来た。


「食べて良いですか?」


「はい。」


斗真は、少し拍子抜けした。


これが伝説の人間だろうか?


物腰が柔らかかった。


「民間ハローワークの神山斗真と申します。」


「仮名、工藤巧です。お菓子美味しいです。ありがとうございます。」


巧は、お菓子を頬張るように食べていく。


「あの、今日伺ったのは工藤さんに仕事を頼みたいという人達がたくさんいて…。」


「はぁ…。」


「でも、失恋してわたしは役にたてません…。」


「失恋ですか…。」


「自殺も考えました。」


斗真はダメだなと感じた。


斗真自身も失恋の経験がある。


しかし、佐紀さんに出逢えた。


「では、彼女役を民間ハローワークで探すという事はどうですかね?」


「偽物の?」


「嘘でも偽物でも恋人です。」


「分かりました。恋人を探す傍らで暗殺の仕事を請け負います。」


巧は少し正気が戻ったようだ。

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