第8話自分の居場所


「ねぇ、佐紀さんはさ自分の居場所ってある?」


元締め佐紀と斗真は一緒に薔薇の花を散らした風呂に入っている。


「うーん、今は斗真の隣がわたしの居場所かな。」


と斗真の肩に寄りかかってきた。


「二番目は?」


「うーん、お店かな。性の解放がわたしにはあるから。」


性の解放とは元締め佐紀が経営するSMクラブの事だ。





「斗真は?」


「うーん、難しいな。佐紀さんは高嶺の花だったし民間ハローワークも勤めてまだ一年だからな…。」


「斗真は、自分自身に自信がないのね。魅力的なのにね。」


「ありがとう。」


と斗真は言って佐紀にキスをした。



「自信か…。」


「そうよ、この人だけには負けたくないとか男のプライドとかね。」


「プライドか…。」


斗真は首を捻った。


「斗真にはあるじゃない。人に対して情て言うものが。」


「人情って事?」



「そう、だからここも純粋なのよ。」と佐紀は斗真のあれを握った。


「いて!」


「人情って大切よ。ヤクザの義理と人情とかじゃあないけどね。」


「うん。」


「ベッドに行きましょうか?」


「うん。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る