バッドホップ


 いつの間にか隣で踊っていた物語

 捕まえようと手を伸ばすと

 バッドホップ バッドホップ

 どこかに逃げてしまったよ


 怖くないよと唄いながら

 僕は君を追いかけた


 君はまるでそう喩えるのなら


 ベースに当たって大きく跳ねた

 野球ボールのよう


 ベースラインに乗って鋭く伸びた

 テニスボールのよう


 キックパスが通らなくてあらぬ方へ弾む

 ラグビーボールのよう


 思い通りにならなくて少しふて腐れた

 この僕そのもののよう


 ああ また バッドホップ

 君は楽しそうにあちこち跳ねて行くんだね

 物語ってそういうものだよね

 捕まえることは諦めたけど

 どうか僕も一緒に遊ばせて



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