幻想ごみ箱

獅子童 貞臣(シシドウ テイシン)

軌道エレベーターの島と猫

オス猫が一匹。彼が見上げる先には天へと昇るひとすじの糸。


彼はこの島の小さなみさきで日課の日向ぼっこをしている。


ここは軌道エレベータの島。


音もなくカーゴが昇り、降りてゆく。白い軌道、白いカーゴ。それらが時折、陽の光を照り返して輝いている。


磯の匂いが風に乗って、ゆるやかに流れていく。水平線まで青い空、水平線から広がる海。白い雲が遠く、遠い。


オス猫が伸びをする。彼は充分に暖まった身体をほぐして、ゆっくりと散歩を再開する。


ここは軌道エレベータの島。猫にはあまり関係のない話。

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幻想ごみ箱 獅子童 貞臣(シシドウ テイシン) @shishidou_teishin

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