第29話 交換しても
一晩待ってみるということに可決し、ミサが家に帰る。
「そんじゃご主人また明日ねー」
「ちょっとルピ?わたしの体でこいつのことをご主人って呼ばないで。それとあんまり好き勝手やらないでよ?」
ミサから圧をかけられてもビクともしないルピは、
「まっかせてくださいよ!」
と、胸を叩いた。が、正直、超心配だ。
ミサが帰ったあと、コノミがずっとこちらをチラチラと見ている。
「どうした?コノミ」
「な、なんでもないよ。うん」
なんとなく空気が気まずい
「俺、ちょっと風呂入って来るわ」
俺が立つと、コノミがふくを引っ張って止め
にかかる
「どうしたよ?さっきから」
「あの……。その、ほら。こないだ一緒には入ったけどさ」
コノミはただモジモジしているだけで話が進まない。
「はっきり言いなよ、にぃちゃん聞いてやるからさ」
「やっぱりほら、間近に見ることになるじゃん?わたしの、その……。身体を」
「うん。そうだけど?」
それがどうした。いつも通り入ればいい話である。
「もう!おにーちゃんの鈍感‼︎少しは気づいてよ‼︎ 」
またモジモジし始めるコノミの代わりにミサが代弁する
「つまり、恥ずかしいってことよ。あんたも兄さんでしょ?それくらい分かってやりなさいよね〜!」
「恥ずかしいっつったって、風呂はどうしようもねぇだろ?」
「だからどうしようって聞いてるの!」
話に話し合った末、コノミと俺は一緒に風呂に入り、身体を洗い会うことになった。が、
ーーなんだよコレ‼︎どんな変態プレイだよ‼︎
目隠しをされ、どこもさわれないようにと手首を固定される。
そのくせコノミは俺の海パンを履いていやがる。
身体を石鹸でくまなく洗われ、あんなトコやこんなトコも自分の身体だと容赦なしに触って来る。
「あぁ♡んっ♡ひゃあ♡」
手が触れるたびに自分で聞いていて恥ずかしくなるような声を出してしまう。
「早く終わらせろよ!俺、新しいトビラ開きかけてるから!このままだとにぃちゃんドMのガチ変態になっちゃうから」
「わたしの口でそーゆーこと言わないで‼︎恥ずかしい!」
洗い終わったあとも災難は続く、シャワーで流すときに水しぶきが敏感なところに集中攻撃する。
「あああああぁぁぁぁぁっ♡」
「やめて!おにーちゃん、そんな声出したら
いろんな意味でヤバイから。お隣さんとかに私がシテるって思われちゃうから‼︎」
ーーようやく終わった……。
体の痙攣が治らないままビクビクと震えながら目隠しを取る。
コノミは前に俺の身体を洗ってくれたから上半身までは洗ったが、そこから先は俺にバトンタッチ。俺はコノミのスク水を着て身体洗いに専念した。
上がる頃には俺もコノミもぐったりだった。
「私も入ってこよっかなーっ」
ミサがタタタッと走って風呂場まで行く。
「ご飯作っちゃってますよーっ」
コノミが呼ぶと、ミサは
「おう!」
と返事をしてドアの向こうから指でマルを作り、合図する
ーー人が違えど中身は違えど、日々の生活ってあんまり変わらないもんだな……。
一方その頃ミサ宅では
「ううっ寂しいっすよご主人〜」
薄暗い部屋の中、1人体育座りで人肌を恋しいルピであった。
翌日、目を覚ますと朝一番に自分の身体に戻っていることを確認した。硬い骨格、短い髪の毛少し切れ長の目、どっからどう見ても俺だった。
「よっしゃああっ!戻ってるぅぅ!」
大声を出したことでコノミとルピが起きる。
「どーしたの?おにーちゃん」
「ご主人、うるさいっすよ」
「どーしたもこーしたもねぇよ‼︎体が元に戻ってんだ!」
俺に続いてコノミ、ルピと自分の姿を鏡に映して確認する。
「ホントだ!戻ってる!」
飛び跳ねるコノミに、
「コレでミサちゃんの責任取らなくていいっすね〜」
と、胸を撫で下ろすルピ、2人ともとてもいい笑顔で喜んでいて、こっちまで釣られて笑った。
「何笑ってんすか?ご主人。キモいっすよ。」
「え?何急に、ひどくない?」
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