生物学の世界で行われる実験の中に、試験管の中に擬似的な微生物たちの生態系を築き、そこに様々な刺激を与えると言うものがあるそうです。ほんの僅かな、ごく些細なものでも、時が経つ中でそれが生態系に対して劇的な変化を与える事も、決してあり得ない話ではありません。
そんな「些細な刺激」が、もし身の回りで起きたとしたら……?
ごくありふれた日常が、ミクロンサイズの非日常の刺激によって次々と変わり、やがて地球全土や宇宙を巻き込む途轍もない事態へと発展していき……微小かつ極大、全く異なるスケールの要素を同時に味わえる、良い意味で奇妙なSF短編作品群です。