怪盗Xからの予告状 解答編

「二枚目」

 青年は勉強を再開しながら答えた。

「なんでですか!」

 即答されることはわかっていましたと言わんばかりの勢いで、少女は青年にたたみかける。

「日曜日に盗まれたんだろ。月の光は太陽光の反射だ。月光を盗むなら日曜日のほうがふさわしいとも考えられる」

 青年は顔も上げずに答える。

「さすが先輩!」

 少女は感心することしきりといった表情で青年を見つめていたが、しばらくすると腕を組み、眼を閉じて何やら考えはじめた。熟考の末、ついに観念したのか少女は勉強を始めた。そしてそのまま二人は何も話すことなく日が傾き始めるまで勉強を続けた。

 今日の二人の会話はこれまで。

 次はどんな問題を後輩が先輩につきつけるのか、その話はまた今度————

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