古物商詐欺事件 解答編

「高く売る方の詐欺だったんだろ」

 青年はノートを開き勉強を再開した。

「正解! さすが先輩!」

 少女は今にも飛び上がりそうな勢いで、喜びを全身で表していた。

「ツボイさんの方は同意の上での買い取りだし、乱暴な手段も使ってないから立件は難しいだろうね」

 そう言う青年を、少女は両手で頬杖をつき左右に揺れながら見つめていた。そのまま空がうっすらと赤く染まり始めるまでの時間、二人は何も言わずに過ごした。

 今日の二人の会話はこれまで。

 次はどんな問題を後輩が先輩につきつけるのか、その話はまた今度————

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